悪漢わる)” の例文
それで手捕りにしてふん縛り、うんといじこらしめて、今後二度と来させまいとするのが、彼等悪漢わる共の思惑なのであった。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ことに一人では出来ないがと思って居る処へ、土手の甚藏という男、是は新吉と一旦兄弟分に成りました悪漢わる
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又、匕首を揮うのであるが、腰をかけたり佇んだり鼻歌をうたったり囁いたり、笑ったりしている悪漢わるどもは
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
慶安年間の四谷左門町ときては、いわゆる悪漢わる巣窟そうくつで、微禄の御家人とか香具師やしとか、猿廻しとか夜鷹よたかとかないしは怪しげな浪人者とか、そんな者ばかりが住んでいた。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この一画は貧民窟ではあったが、また罪悪の巣でもあり、悪漢わる無頼漢ごろつきの根城なのでもあった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
悪漢わるどもを追い払ってくれた、その好意は感じていたが、又助という人物の様子、何んとも信用出来ぬところがある、うかうか真実など話したら、面白くなく危険なことが。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かどわかし、賭博とばく、喧嘩、刃傷にんじょう、すり、泥棒というようなことが、昼夜となく行なわれ、しかも法網をくぐっている。悪漢わるには悪漢わるの道徳があり、互いに隠し合いかばい合うからだ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一同の悪漢わるどもが立ち去って、一人になると大学は榻の一つへ腰かけた。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
悪漢わる誘拐師かどわかしがうろついている、夕暮れ時の盛り場などへ
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)