わる)” の例文
身体からだはかすかに顫へてゐたけれども、わるびれた所は少しもなかつた。その美しい眉宇は、きつと、緊きしまつて、許すまじき色が、アリ/\と動いた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
幡随院長兵衛が、水野の邸に行くやうに、父はわるびれもせず、悪魔が、下す毒手を、待ち受けてゐるやうだつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
幡随院長兵衛ばんずいいんちょうべえが、水野のやしきに行くように、父はわるびれもせず、悪魔が、下す毒手を、待ち受けているようだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かよわい瑠璃子の顔は、真蒼まっさおだった。身体はかすかにふるえていたけれども、わるびれた所は少しもなかった。その美しい眉宇びうは、きっと、きしまって、許すまじき色が、アリ/\と動いた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
洒々しゃあしゃあと、自分の結婚のことについて、馴染の浅い大人をつかまえて、底を割った話をするかと思うと、下の食堂へ行ったときは、その話はケロリと忘れたように、自分一人の食事を、わるびれもせず
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼女は、わるびれず肩にすがらせてもらった。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
少しもわるびれず
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)