“怯弱”の読み方と例文
読み方割合
きょうじゃく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アリストテレースはすべて徳は中庸にあるとなし、たとえば勇気は粗暴と怯弱きょうじゃくとの中庸で、節倹は吝嗇りんしょくと浪費との中庸であるといった。能く子思ししの考に似ている。
善の研究 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
こんな奴に、ばかにされてたまるか、という野蛮な、動物的な格闘意識が勃然ぼつぜんと目ざめ、とかく怯弱きょうじゃくな私を、そんなにも敏捷びんしょうに、ほとんど奇蹟きせき的なくらい頑強に行動させた。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
大海蒼溟そうめいやかたを造る、跋難佗ばつなんだ竜王、娑伽羅しゃがら竜王、摩那斯まなし竜王。竜神、竜女も、色には迷うためし候。外海小湖に泥土の鬼畜、怯弱きょうじゃくの微輩。馬蛤まての穴へ落ちたりとも、空をけるは、まだ自在。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)