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惡
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わる
ふりがな文庫
“
惡
(
わる
)” の例文
新字:
悪
すると
其時
(
そのとき
)
夕刊
(
ゆふかん
)
の
紙面
(
しめん
)
に
落
(
お
)
ちてゐた
外光
(
ぐわいくわう
)
が、
突然
(
とつぜん
)
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
變
(
かは
)
つて、
刷
(
すり
)
の
惡
(
わる
)
い
何欄
(
なにらん
)
かの
活字
(
くわつじ
)
が
意外
(
いぐわい
)
な
位
(
くらゐ
)
鮮
(
あざやか
)
に
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
りやあ
生身
(
なまみ
)
をぐつ/\
煮着
(
につ
)
けたのだ、
尾頭
(
をかしら
)
のあるものの
死骸
(
しがい
)
だと
思
(
おも
)
ふと、
氣味
(
きみ
)
が
惡
(
わる
)
くツて
食
(
た
)
べられねえツて、
左樣
(
さう
)
いふんだ。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さうだ、
全
(
まつた
)
く
蒸
(
む
)
すね。
惡
(
わる
)
くすると、
明日
(
あした
)
は
雨
(
あめ
)
だぜ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
き
樣
(
ざま
)
に
答
(
こた
)
へた。
河野
(
かうの
)
の
眠
(
ねむ
)
さうな
眼
(
め
)
が
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
にチラリと
光
(
ひか
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
あるところに
手
(
て
)
くせ の
惡
(
わる
)
い
夫婦
(
ふうふ
)
がありました。それでも
子
(
こ
)
どもがないので、一
羽
(
は
)
の
鸚鵡
(
あふむ
)
を
子
(
こ
)
どものやうに
可愛
(
かあい
)
がつてをりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それに
他
(
ほか
)
のお
家
(
うち
)
の
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
へは
登
(
のぼ
)
らうと
思
(
おも
)
つても
登
(
のぼ
)
れませんでしたが、
自分
(
じぶん
)
のお
家
(
うち
)
の
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
ばかりは
惡
(
わる
)
い
顏
(
かほ
)
もせずに
登
(
のぼ
)
らせて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「まあ
其麽
(
そんな
)
ことゆはねえで
折角
(
せつかく
)
のことに、
勘次
(
かんじ
)
さんも
惡
(
わる
)
い
料簡
(
れうけん
)
でしたんでもなかんべえから」と
宥
(
なだ
)
めても
到頭
(
たうとう
)
卯平
(
うへい
)
は
聽
(
き
)
かなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『あゝ、
皆
(
みな
)
私
(
わたくし
)
が
惡
(
わる
)
いのだ、
私
(
わたくし
)
の
失策
(
しくじ
)
つたばかりに、
一同
(
みんな
)
に
此樣
(
こん
)
な
憂目
(
うきめ
)
を
見
(
み
)
せる
事
(
こと
)
か。』と
深
(
ふか
)
く
嘆息
(
たんそく
)
したが、
忽
(
たちま
)
ち
心
(
こゝろ
)
を
取直
(
とりなほ
)
した
樣子
(
やうす
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
又
(
また
)
かや
此頃
(
このごろ
)
折
(
をり
)
ふしのお
宿
(
とま
)
り、
水曜會
(
すゐようくわい
)
のお
人達
(
ひとたち
)
や、
倶樂部
(
ぐらぶ
)
のお
仲間
(
なかま
)
にいたづらな
御方
(
おかた
)
の
多
(
おほ
)
ければ
夫
(
そ
)
れに
引
(
ひ
)
かれて
自
(
おの
)
づと
身持
(
みもち
)
の
惡
(
わる
)
う
成
(
な
)
り
給
(
たま
)
ふ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ヂュリ ほんに
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢゃ、
氣分
(
きぶん
)
が
惡
(
わる
)
うてはなァ。したが、
乳母
(
うば
)
、
乳母
(
うば
)
や、
乳母
(
うば
)
いなう、
何卒
(
どうぞ
)
言
(
い
)
うてたも、
戀人
(
こひゞと
)
が
何
(
なん
)
と
被言
(
おッしゃ
)
った?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
が
唯
(
た
)
ッた
一人
(
ひとり
)
場所
(
ばしよ
)
を
取
(
と
)
り
交
(
か
)
へた
爲
(
ため
)
に一
番
(
ばん
)
好
(
い
)
いことをしました、
愛
(
あい
)
ちやんは
以前
(
まへ
)
よりも
餘
(
よ
)
ッ
程
(
ぽど
)
割
(
わり
)
が
惡
(
わる
)
くなりました、だつて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
御米
(
およね
)
はかう
宗助
(
そうすけ
)
から
勞
(
いた
)
はられた
時
(
とき
)
、
何
(
なん
)
だか
自分
(
じぶん
)
の
身體
(
からだ
)
の
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
訴
(
うつ
)
たへるに
忍
(
しの
)
びない
心持
(
こゝろもち
)
がした。
實際
(
じつさい
)
又
(
また
)
夫程
(
それほど
)
苦
(
くる
)
しくもなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
せよと言ひながら腰の一刀
引拔
(
ひきぬき
)
つゝ
身構
(
みがま
)
へなせば
惡
(
わる
)
ものどもは打笑ひ何の
小癪
(
こしやく
)
な
青
(
あを
)
二
才
(
さい
)
と
息杖
(
いきづゑ
)
取
(
とり
)
のべ打て
蒐
(
かゝる
)
を此方は
騷
(
さわ
)
がず切拂ひ又打込を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
つまみ
出
(
だ
)
して
障子
(
せうじ
)
を
締
(
し
)
めた、
殘暑
(
ざんしよ
)
といふものは
惡
(
わ
)
る
惡
(
わる
)
う
暑
(
あつ
)
い、
空氣
(
くうき
)
が
通
(
かよ
)
はないから
尚
(
な
)
ほ
更
(
さ
)
らである、
曇
(
くも
)
つてゐるから
頭痛
(
づつう
)
がする、たまらぬ。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
その次に
偉
(
えら
)
くなるのは君だとみんなが云つているから、しつかり
勉
(
べん
)
強したまへ、と言つた言葉を憶ひ出し、
惡
(
わる
)
い氣持はしなかつたのである。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
通常
(
つうじやう
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
可
(
い
)
い
事
(
こと
)
も、
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
も
皆
(
みな
)
身外
(
しんぐわい
)
から
求
(
もと
)
めます。
即
(
すなは
)
ち
馬車
(
ばしや
)
だとか、
書齋
(
しよさい
)
だとかと、
然
(
しか
)
し
思想家
(
しさうか
)
は
自身
(
じしん
)
に
求
(
もと
)
めるのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
戲談
(
じようだん
)
を
言
(
い
)
つては
困
(
こま
)
ります。だから
新聞記者
(
しんぶんきしや
)
は
人
(
ひと
)
が
惡
(
わる
)
い。
人
(
ひと
)
が
眞面目
(
まじめ
)
で
聞
(
き
)
くのに。』と
高商紳士
(
かうしやうしんし
)
は
短
(
みじか
)
くなつたシガーをストーブに
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
んだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「今朝、若松屋の裏の路地で、
御朱印
(
ごしゆいん
)
の傅次郎といふ札つきの
惡
(
わる
)
が、土手つ腹をゑぐられて死んでゐるぢやありませんか」
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なあに、いくら
惡
(
わる
)
だと云つたつて、たかが島民の子供ぢやないですか。問題ぢやない」と警官がむきになつて答へた。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
そして
依然
(
いぜん
)
として『
御返事
(
ごへんじ
)
を
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
ります』とある。
男
(
をとこ
)
は
少々
(
せう/\
)
氣味
(
きみ
)
が
惡
(
わる
)
くなつた。とう/\
又
(
また
)
葉書
(
はがき
)
が十二
枚
(
まい
)
たまつた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
斯樣
(
かやう
)
すれば
惡
(
わる
)
い、
何故
(
なにゆゑ
)
に
惡
(
わる
)
いかといふ
點
(
てん
)
を
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
に
問
(
と
)
はせて
見
(
み
)
て、
自分
(
じぶん
)
で
其理由
(
そのりいう
)
を
發明
(
はつめい
)
し、
成程
(
なるほど
)
これは
善
(
よ
)
い、
惡
(
わる
)
いといふ
處
(
ところ
)
を
自分
(
じぶん
)
に
合點
(
がつてん
)
せしむる。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
しかし
足
(
あし
)
の
惡
(
わる
)
いまち
子
(
こ
)
は、すぐに
疲
(
つか
)
れるので、やがて
靜
(
しづ
)
かなカフエーかレストランドに
入
(
はひ
)
らなければならなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
こんな
勝
(
すぐ
)
れた
歌
(
うた
)
が、しかも
非常
(
ひじよう
)
に
貴
(
たふと
)
い
方々
(
かた/″\
)
のお
作
(
さく
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
てゐるに
拘
(
かゝは
)
らず、
世間
(
せけん
)
の
流行
(
りゆうこう
)
は、
爲方
(
しかた
)
のないもので、だん/\、
惡
(
わる
)
い
方
(
ほう
)
へ/\と
傾
(
かたむ
)
きました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其後
(
そのあと
)
へ
自轉車隊
(
じてんしやたい
)
が
來
(
き
)
て、
居合
(
ゐあは
)
せた
農夫
(
のうふ
)
に、
二人連
(
ふたりづれ
)
の、
人相
(
にんさう
)
の
惡
(
わる
)
い
男子
(
をとこ
)
が、
此邊
(
このへん
)
をうろ/\して
居
(
ゐ
)
なかつたかと
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
農夫
(
のうふ
)
頗
(
すこぶ
)
る
振
(
ふる
)
つた
答
(
こた
)
へをした。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
たゞこの
博物館
(
はくぶつかん
)
は
昔
(
むかし
)
の
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
をそのまゝ
使
(
つか
)
つてゐるので、
光線
(
こうせん
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
少
(
すこ
)
しく
惡
(
わる
)
いのが
缺點
(
けつてん
)
ともいへるでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「ようわかりました。あんたの氣性を知らん事も無いのに、あてが
惡
(
わる
)
おました。かんにんしておくんなはれ。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
しかしそれを
拒
(
こば
)
んで
答
(
こた
)
へずにしまふのは、
殆
(
ほとん
)
どそれは
譃
(
うそ
)
だと
云
(
い
)
ふと
同
(
おな
)
じやうになる。
近頃
(
ちかごろ
)
歸
(
き
)
一
協會
(
けふくわい
)
などでは、それを
子供
(
こども
)
のために
惡
(
わる
)
いと
云
(
い
)
つて
氣遣
(
きづか
)
つてゐる。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
所
(
ところ
)
が
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
にア
身躰
(
からだ
)
が
惡
(
わる
)
く、
肺病
(
はいびよう
)
と
來
(
き
)
てゐるから
僕
(
ぼく
)
も
殆
(
ほと
)
んど
當惑
(
とうわく
)
する
僕
(
ぼく
)
だつて
心配
(
しんぱい
)
でならんから
其
(
その
)
心配
(
しんぱい
)
を
忘
(
わす
)
れやうと
思
(
おも
)
つて、つい
飮
(
の
)
む、
飮
(
の
)
めば
飮
(
の
)
むほど
心配
(
しんぱい
)
する。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
褐色
(
とびいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
陰鬱
(
いんうつ
)
な
桃花心木
(
たうくわしんぼく
)
の色、
褐色
(
とびいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、免許の快樂、世智、用心、先見、おまへは、ひとの
惡
(
わる
)
さうな眼つきをしてゐる、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
第三番
(
だいさんばん
)
の
阿倍
(
あべ
)
の
右大臣
(
うだいじん
)
は
財産家
(
ざいさんか
)
でしたから、あまり
惡
(
わる
)
ごすくは
巧
(
たく
)
まず、ちょうど、その
年
(
とし
)
に
日本
(
につぽん
)
に
來
(
き
)
た
唐船
(
とうせん
)
に
誂
(
あつら
)
へて
火鼠
(
ひねずみ
)
の
皮衣
(
かはごろも
)
といふ
物
(
もの
)
を
買
(
か
)
つて
來
(
く
)
るように
頼
(
たの
)
みました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
この
目的
(
もくてき
)
のためには、
賢實
(
けんじつ
)
なる
石造
(
せきざう
)
または
甎造
(
せんざう
)
の
恒久的宮殿
(
こうきうてききうでん
)
を
造營
(
ざうえい
)
する
事
(
こと
)
は
都合
(
つがふ
)
が
惡
(
わる
)
いのである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
一
(
ひと
)
つは二人
共
(
とも
)
躰に
惡
(
わる
)
い
病
(
やまい
)
を
有
(
も
)
ツてゐるからでもあらうが、一つはまた
面白
(
おもしろ
)
くない
家内
(
かない
)
の
事情
(
じゞやう
)
が
益々
(
ます/\
)
其
(
そ
)
の
念
(
おもひ
)
を
助長
(
ぢよてう
)
せしむるやうになツてゐるので、
自然
(
しぜん
)
陰欝
(
ゐんうつ
)
な、
晴々
(
はれ/″\
)
しない
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
口惜
(
くや
)
しかつたら
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て
不足
(
ふそく
)
を
云
(
い
)
ひたまへ。それともこの
文章
(
ぶんしやう
)
を
僕
(
ぼく
)
は
今夜
(
こんや
)
枕
(
まくら
)
もとへ
置
(
お
)
いて
置
(
お
)
くから、これで
惡
(
わる
)
かつたら、どう
書
(
か
)
いたがいいか、
來
(
き
)
て
一
(
ひと
)
つそれを
僕
(
ぼく
)
に
教
(
をし
)
へてくれたまへ。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
晝
(
ひる
)
は
木
(
き
)
の
洞穴
(
ほらあな
)
や
岩
(
いは
)
の
隙
(
す
)
き
間
(
ま
)
などにひそんでゐますが、
夜
(
よる
)
になると
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
して、
大
(
おほ
)
きな
目玉
(
めだま
)
をぎょろ/\させて
鼠
(
ねずみ
)
などをさらつてあるき、
薄氣味
(
うすきみ
)
の
惡
(
わる
)
い
聲
(
こゑ
)
で「ほう、ほう」と、
鳴
(
な
)
きます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「ずツと前に
診
(
み
)
てもろた醫者が、リョーマチやいうて、其の藥ばかり呉れてたんが
惡
(
わる
)
おましたんや。子宮だしたんやもんなア、此處の院長さんが
診
(
み
)
やはつて、餘ツぽどわるなつたるいうて、
喫驚
(
びつくり
)
してゐやはつた。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
徴
(
さき
)
惡
(
わる
)
し、
憎
(
につ
)
くき
奴
(
やつ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其處
(
そこ
)
で、でこぼこと
足場
(
あしば
)
の
惡
(
わる
)
い、
蒼苔
(
あをごけ
)
と
夜露
(
よつゆ
)
でつる/\と
辷
(
すべ
)
る、
岸
(
きし
)
の
石壇
(
いしだん
)
を
踏
(
ふ
)
んで
下
(
お
)
りて、
笠
(
かさ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
へ、
荷物
(
にもつ
)
を
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いろ/\な
可愛
(
かあい
)
らしい
蝶々
(
てふ/\
)
も
澤山
(
たくさん
)
ある
中
(
なか
)
で、あの
大
(
おほ
)
きな
黒
(
くろ
)
い
蝶々
(
てふ/\
)
ばかりは
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
いものです。あれは
毛蟲
(
けむし
)
の
蝶々
(
てふ/\
)
だと
言
(
い
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
延
(
の
)
べしは
重々
(
ぢゆう/\
)
此方
(
こなた
)
が
惡
(
わる
)
けれど
母上
(
はゝうへ
)
とらへて
何
(
なに
)
言
(
いひ
)
居
(
を
)
つたかお
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
れまいと
思
(
おも
)
へばこそ
樣々
(
さま/″\
)
の
苦勞
(
くらう
)
もするなれさらでもの
御病氣
(
ごびやうき
)
にいとゞ
重
(
おも
)
さを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
選
(
よ
)
りに
選
(
よ
)
つて
奴
(
やつ
)
が
落
(
お
)
ちるなんてよつぽど
運
(
うん
)
が
惡
(
わる
)
いや‥‥」と、
一人
(
ひとり
)
はまたそれが
自分
(
じぶん
)
でなかつた
事
(
こと
)
を
祝福
(
しゆくふく
)
するやうに
云
(
い
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「さういつちやお
前
(
まへ
)
の
※
(
あね
)
のこと
惡
(
わる
)
くばかりいふやうだが、
舅
(
しうと
)
が
鬼怒川
(
きぬがは
)
へ
落
(
お
)
ちて
死
(
し
)
んだなんて
大騷
(
おほさわ
)
ぎしたことが
有
(
あ
)
つたつけねえ」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
掛ず
惡
(
わる
)
い
夢
(
ゆめ
)
だと
斷念
(
あきらめ
)
て御
辛抱
(
しんばう
)
を成されなば大旦那にも
安心
(
あんしん
)
致され
家督
(
かとく
)
を御
讓
(
ゆず
)
り有れんと思ひ
運
(
めぐ
)
らすことも有ば何は
扨置
(
さておき
)
御家督を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其時
(
そのとき
)
宗助
(
そうすけ
)
は
是
(
これ
)
はならんと
思
(
おも
)
つた。けれども
果
(
はた
)
して
刄物
(
はもの
)
を
用
(
もち
)
ひて、
肩
(
かた
)
の
肉
(
にく
)
を
突
(
つ
)
いて
可
(
い
)
いものやら、
惡
(
わる
)
いものやら、
決
(
けつ
)
しかねた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
獰惡
(
だうあく
)
な
野良猫
(
のらねこ
)
、お
隣
(
とな
)
りの
鷄
(
とり
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
させた
惡
(
わる
)
いヤツ、
家
(
うち
)
の
鯛
(
たひ
)
をさらつた
盜癖
(
とうへき
)
のある
畜生
(
ちくせう
)
、それが
産
(
う
)
んだ
兒
(
こ
)
は、このやさしい
美
(
うつく
)
しいニヤン
公
(
こう
)
である。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
あれこそは
此世
(
このよ
)
の
名譽
(
めいよ
)
といふ
名譽
(
めいよ
)
が、
只
(
た
)
った
一人
(
ほとり
)
王樣
(
わうさま
)
となって、
坐
(
すわ
)
る
帝座
(
ていざ
)
ぢゃ。おゝ、
何
(
なん
)
といふ
獸物
(
けだもの
)
ぢゃ
予
(
わし
)
は、かりにも
彼
(
あ
)
の
方
(
かた
)
を
惡
(
わる
)
ういふとは!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『
若
(
も
)
しも
汝
(
なんぢ
)
がそれに
署名
(
しよめい
)
しなかつたとすれば』と
云
(
い
)
つて
王樣
(
わうさま
)
は、『
尚々
(
なほ/\
)
惡
(
わる
)
い、
汝
(
なんぢ
)
の
惡戯
(
いたづら
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない、さもなければ
正直
(
しようぢき
)
に
署名
(
しよめい
)
して
置
(
お
)
くべき
筈
(
はづ
)
だ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此
(
この
)
温泉
(
をんせん
)
が
果
(
はた
)
して
物質的
(
ぶつしつてき
)
に
僕
(
ぼく
)
の
健康
(
けんかう
)
に
效能
(
かうのう
)
があるか
無
(
な
)
いか、そんな
事
(
こと
)
は
解
(
わか
)
らないが
何
(
なに
)
しろ
温泉
(
をんせん
)
は
惡
(
わる
)
くない。
少
(
すくな
)
くとも
此處
(
こゝ
)
の、
此家
(
このや
)
の
温泉
(
をんせん
)
は
惡
(
わる
)
くない。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
る
内
(
うち
)
に、
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
はだん/\と
速力
(
そくりよく
)
を
増
(
ま
)
して、
我
(
わが
)
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
左方
(
さはう
)
を
掠
(
かす
)
めるやうに
※去
(
すぎさ
)
る
時
(
とき
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いや、
極
(
ご
)
く
非文明的
(
ひぶんめいてき
)
な、
奈何云
(
どうい
)
ふものか
此
(
こ
)
の
町
(
まち
)
に
來
(
く
)
る
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
は、
皆
(
みな
)
、
見
(
み
)
るのも
胸
(
むね
)
の
惡
(
わる
)
いやうな
人間計
(
にんげんばか
)
り、
不幸
(
ふかう
)
な
町
(
まち
)
です。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
南瓜
(
かぼちや
)
と
甜瓜
(
まくはうり
)
と、おなじ
畑
(
はたけ
)
にそだちました。
種子
(
たね
)
を
蒔
(
ま
)
かれるのも一しよでした。それでゐて
大
(
たい
)
へん
仲
(
なか
)
が
惡
(
わる
)
かつたのです。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それは
油氣
(
あぶらけ
)
のない
髮
(
かみ
)
をひつつめの
銀杏返
(
いてふがへ
)
しに
結
(
ゆ
)
つて、
横
(
よこ
)
なでの
痕
(
あと
)
のある
皸
(
ひび
)
だらけの
兩頬
(
りやうほほ
)
を
氣持
(
きもち
)
の
惡
(
わる
)
い
程
(
ほど
)
赤
(
あか
)
く
火照
(
ほて
)
らせた、
如何
(
いか
)
にも
田舍者
(
ゐなかもの
)
らしい
娘
(
むすめ
)
だつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
惡
部首:⼼
12画
“惡”を含む語句
惡戲
惡戯
惡氣
惡臭
惡漢
意地惡
惡寒
惡業
善惡
惡計
折惡
惡巧
惡口
惡魔
憎惡
惡者
好惡
惡事
惡感
惡賢
...