“経巻”の読み方と例文
読み方割合
きょうかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(——全山を取り詰め、山王二十一社を初め奉り、山上の中堂も、坊舎堂塔ぼうしゃどうとう、すべての伽藍がらん経巻きょうかんも霊仏も、ことごとく焼き払え)
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこここに散乱したお文櫃ふみびつの中から、白蛇のようにうねり出ている経巻きょうかんたぐいも見えます。それもやがて吹き巻く風にちぎられて、行方も知らずねずみ色の中空へ立ち昇って参ります。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
むぐらの中に日が射して、経巻きょうかんに、蒼く月かと思う草の影がうつったが、見つつ進む内に、ちらちらとくれないきたり、きたり、むらさきり、しろぎて、ちょうたわむるる風情ふぜいして、斑々はんはんいんしたのは
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)