“くせもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
曲者96.5%
曲物2.3%
癖者0.6%
兇漢0.3%
曲漢0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
意趣か、悪戯いたずらか知らぬが、入費はいかほどかさもうと苦しゅうない。是が非でも曲者くせものを探し出し、主君おかみの手で成敗したいという仰せだ。
六郎は曲物くせものと思ったので、じぶんの体を見せないようにと、ちょと己を見返って、それが木立の陰になっているのを見極みきわめると、急いで雨戸の方へ眼をやった。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
美術家ほど世に行儀しきものなければ、独立ひとりたちてまじわるには、しばしも油断すべからず。寄らず、さわらぬやうにせばやとおもひて、はからず見玉みたまふ如き不思議の癖者くせものになりぬ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いわに遮られ、樹に包まれ、兇漢くせものに襲われ、獣に脅かされ、魔に誘われなどして、日は暗し、……次第に路を隔てつつ、かくて両方でいのちの限り名を呼び合うのである。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
曲漢くせものッ」とよばわった。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)