“しろもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
代物90.7%
貨物2.8%
料物1.7%
0.7%
品物0.7%
代呂物0.3%
人物0.3%
代者0.3%
価物0.3%
商物0.3%
容貌0.3%
曲者0.3%
材料0.3%
科物0.3%
贓物0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大小というが、その大なるも三分立方はなく、以下順次四粒、中なると小なるはそれに準じて、小豆あずきに似たような代物しろものまであります。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
アマルフイイの市はつゝめる貨物しろものをみだりに堆積したるさまをなせり。羅馬なる猶太街ゲツトオの狹きも、これに比べては尚通衢つうく大路おほぢと稱するに足るならん。
「素晴らしく大事な料物しろものでな。……それだけに六波羅の探題様にとっては、手に入れたい品物なのじゃ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かくてこの身はやうなきしろものとなりぬ。たと羅馬ロオマわたりに持ち往きてらんとし給ふとも、盾銀たてぎん一つ出すものだにあらじ。かどある生活なりはひわざをも知らず。
「おい、くな、大変な品物しろものだぞ」
偶人物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今更受出されては心當こゝろあてちがうたり是と云も此質物はほか代呂物しろものと違ひ五ヶ月限りの約束やくそくにて凡六十兩程はかたく直段のある品を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひさ駿河屋するがや三郎兵衞と云者ありしが此方こなた新規しんき小見世こみせいひむかふは所に久しき大店なれば客足きやくあし自然おのづからむかふへのみ行勝ゆきがちなれども加賀屋よりもをりにふれては代呂物しろもの融通等ゆうづうとうもなし出入邸でいりやしきあきなひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
掛けやがて一座と成て酒宴さかもりうち後家に心有りなる面白可笑おもしろをかし盃盞さかづきことに後家のお勇も如才じよさいなき人物しろものゆゑ重四郎が樣子を熟々つく/″\見るに年はまだ三十歳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
累代の名家であるからといふので命だけは助けられたといふ代者しろものであつた。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
であるから少女むすめの死は僕に取ての大打撃、ほとんすべての希望は破壊し去ったことは先程申上げた通りです、もし例の返魂香はんごんこうとかいう価物しろものがあるなら僕は二三百きん買い入れたい。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
昔から土一升、金一升の土地でも、にはならない高いことをいって、断わっても借りてしまう。とにかく畳一畳へ造作をして、昼間は往来へはみださした台の上へ、うず高く店の商物しろものを積みあげる。
わかしてつかはすはずなれど夫よりは近所ゆゑ湯に入てるがよいお文も父と共にゆくべしと辯舌べんぜつ利口りこうを以て口車くちぐるまに乘せ金のつると思ふめひのお文は如何なる容貌しろものかとお文が仰向あふむくかほ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「これや、一筋縄で恐れいる曲者しろものじゃない。お奉行、あれに口をかせるには、だいぶ時刻ときがかかります。てまえに、お任せ下さいましょうか。……では其奴そいつを、ひとまず、湯灌ゆかんさせておきますが」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うしろに建ち並んだ、蔵の中には、江戸中の、いかなる大名高家、町人一統が、どんな注文をよこそうとも、すぐ間に合うだけの材料しろものは積んであるのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あの光沢を見るがいい。三千円以上の科物しろものだ」新井君も窃っと囁いた。
広東葱 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蔦屋の二階に仁王だちで、とおりつぶてなげに贓物しろものをこかしていた。大道に腰を抜いたものの、魔神が荒るると見たというは、この入道の事なりけり。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)