料物しろもの)” の例文
「乙姫様か弁天様か素晴らしい料物しろものでございました。しかしああいう別嬪になると私どもの手には入りませぬので」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「素晴らしく大事な料物しろものでな。……それだけに六波羅の探題様にとっては、手に入れたい品物なのじゃ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「これはい物が目つかった。養女として屋敷へ入れ、二三カ月磨いたら、飛び付くような料物しろものになろう。将軍家は好色漢、食指を動かすに相違ない。そこを目掛けて取り入ってやろう」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
声も立てずしわぶきもせず固くなってかたまっている。これが陸上の働きならばむねを奉じて出る者もあろう。ところが相手は空飛ぶ鳥だ。飛行の術でも心得ていない限りどうにもならない料物しろものである。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
骨董品か舶来物かいずれお大名の自慢物、高価な料物しろものでございましょうな。何んでもよろしい拝見しましょう。そうしてお大名の生活振り、そいつを見るのも結構で、何かの参考になりましょうよ。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)