“口車”の読み方と例文
読み方割合
くちぐるま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御母さんの弁舌は滾々こんこんとしてみごとである。小野さんは一字の間投詞をさしはさいとまなく、口車くちぐるまに乗ってけて行く。行く先はもとより判然せぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
悪く思わないでくれと確かにそういった、その義侠ぎきょうらしい口車くちぐるまにまんまと乗せられて、今まで殊勝な女だとばかり思っていた自分の愚かさはどうだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ここの淫売窟には、そんなふうにして悪質の周旋屋の口車くちぐるまに乗せられて、東北の貧農の娘が、淫売をさせられるとは知らないで、買われてきたというのが多かった。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)