“曲物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まげもの68.0%
くせもの32.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう尾瀬沼に近い随分不便な村ですが、ここで色々面白い品にめぐり会います。手彫てぼり刳鉢くりばち曲物まげものの手桶や、風雅な趣きさえ感じます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
牧場、牧舎の見廻りが一通り済んで、小舎こやへ帰って、二人水入らずの晩餐ばんさんの後、番兵さんは一個の曲物まげものを、茂太郎の前に出して言う
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
文三は恐ろしい顔色がんしょくをしてお勢の柳眉りゅうびひそめた嬌面かお疾視付にらみつけたが、恋は曲物くせもの、こう疾視付けた時でもお「美は美だ」と思わない訳にはいかなかッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
六郎は曲物くせものと思ったので、じぶんの体を見せないようにと、ちょと己を見返って、それが木立の陰になっているのを見極みきわめると、急いで雨戸の方へ眼をやった。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)