叫喚けうくわん)” の例文
暗夜やみよから、かぜさつ吹通ふきとほす。……初嵐はつあらし……可懷なつかしあきこゑも、いまはとほはるか隅田川すみだがはわた數萬すまんれい叫喚けうくわんである。……蝋燭らふそくがじり/\とまた滅入めいる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「見ろやアイ」「民主々義万歳」など思ひ/\の叫喚けうくわん沸騰ふつとうして、悲憤の涙をむすびたる青年弁士の降壇を送れり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ふね秒一秒べういちべうしづんでく、甲板かんぱん叫喚けうくわんはます/\はげしくなつた。つひに「端艇たんていおろせい。」の號令がうれいひゞいて、だい一の端艇たんてい波上はじやう降下くだつた。此時このときわたくし春枝夫人はるえふじん見返みかへつたのである。
領主 暫時しばらく叫喚けうくわんくちぢよ、この疑惑ぎわくあきらかにしてその源流げんりう取調とりしらべん。しかのち、われ卿等おんみら悲歎なげきひきゐて、かたきいのちをも取遣とりつかはさん。づそれまでは悲歎ひたんしのんで、この不祥事ふしゃうじ吟味ぎんみしゅとせい。
せい叫喚けうくわん——うつつ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ヒヤ/\、大ヒヤなど頓狂とんきやうなる叫喚けうくわんは他の一隅にき上がれり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)