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むずか
ふりがな文庫
“
難
(
むずか
)” の例文
「小野田さんと二人で、ここでついた得意でも持って出て、早晩
独立
(
ひとりだち
)
になるつもりで居るんだろうけれど、あの腕じゃまず
難
(
むずか
)
しいね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
馬上、
金瓢
(
きんぴょう
)
の下、かぶとの
眉
(
ま
)
びさしに、
陰
(
かげ
)
って見える秀吉の眉にも、こんどは少し、
難
(
むずか
)
しい顔つきが見られた。
年齢
(
とし
)
、このとき四十二。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でも何もそんな
難
(
むずか
)
しい
御山
(
おやま
)
ではありません。
但
(
ただ
)
此処
(
ここ
)
は
霊山
(
れいざん
)
とか申す事、酒を
覆
(
こぼ
)
したり、竹の皮を
打棄
(
うっちゃ
)
ったりする
処
(
ところ
)
ではないのでございます。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(ドクトルといっしょに、デスクのほうへ歩を移す)ねえドクトル、紙の上で哲学者になるのは
易
(
やさ
)
しいが、実際となるとじつに
難
(
むずか
)
しいですね!
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いよいよ
私
(
わたくし
)
の
病勢
(
びょうせい
)
が
重
(
おも
)
って、もうとても
難
(
むずか
)
しいと
思
(
おも
)
われました
時
(
とき
)
に、
私
(
わたくし
)
は
枕辺
(
まくらべ
)
に
坐
(
すわ
)
って
居
(
お
)
られる
母
(
はは
)
に
向
(
む
)
かって
頼
(
たの
)
みました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
利に
聡
(
さと
)
い商人たちはこれにつけ込みましたから、非常な早さで
蔓延
(
はびこ
)
りました。そのため手間のかかる本藍はこれに立ち向うことが
難
(
むずか
)
しくなりました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
庭のすみに置くか、中潜りの枯木戸の近くに在るものだが、此のつくばいの位置は
難
(
むずか
)
しくも言われ、事実、まったくその位置次第で庭相が表われやすい。
庭をつくる人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「へっへ。御冗談。そんなシチ
難
(
むずか
)
しいこたあ知りませんがね。どうしたもんでごわしょう、この件は」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
揃った肋骨の
迅
(
はや
)
い動きの中から一人を選ぶのは、
難
(
むずか
)
しかった。
殊
(
こと
)
に日本人の観賞の眼も共に選ばれていることも、この博学なヨハンの太った笑いの底にひそんでいた。
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
都会では
難
(
むずか
)
しいものに見える愛の方法も、至極簡単なものでいいことを会得させる田舎暮らしよ! 一人の少女の気に入るためには、かの女の家族の
様式
(
スタイル
)
を
呑
(
の
)
み込んでしまうが好い。
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
難
(
むずか
)
しい法律的な文章はなんのことやら判らなかった。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「外せば、外したまま懸けるを忘れ、懸ければ外すことをつい忘れ。なかなかその心機を転じることが、われらには
難
(
むずか
)
しゅうござりまする」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雨降りの中では
草鞋
(
わらじ
)
か靴ででもないと
上下
(
じょうげ
)
は
難
(
むずか
)
しかろう——
其処
(
そこ
)
を
通抜
(
とおりぬ
)
けて、
北上川
(
きたかみがわ
)
、
衣河
(
ころもがわ
)
、名にしおう、
高館
(
たかだち
)
の
址
(
あと
)
を望む
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日が暮れる頃に、お島は物置の始末をして、
漸
(
やっ
)
と夕飯に入って来たが、父親は
難
(
むずか
)
しい顔をして、いつか長火鉢の傍で
膳
(
ぜん
)
に向って、お仕着せの晩酌をはじめているところであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
のみならず、老公がご一代をかけ、また藩の財力をかたむけたご事業は——あの大日本史の
完璧
(
かんぺき
)
は、まず
難
(
むずか
)
しい。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのあとでは、われらの骨すらお求めあるも
難
(
むずか
)
しかろう。ついては、
可惜
(
あたら
)
、灰となすにも忍びぬ品々を、貴公の手を経て、世にお戻しいたしたい。お受け取りあれや
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
進む決断はやすく、
退
(
ひ
)
かせる果断は
難
(
むずか
)
しい。——内部の不平、世上のあざけり、自己の
面子
(
メンツ
)
、あらゆる意味で、甘んじて負けて引き退がるほど、困難なことはない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呂布の上に董卓あり、董卓の側に呂布のついているうちは、到底、彼らを亡ぼすことは
難
(
むずか
)
しい。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武蔵の眉が、すこし
難
(
むずか
)
しく変っている。その気色に、伊織はあわててまた、足を引っ込めて
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
熊太郎に、無理に命じたものの、成るか成らぬか、十中八、九までは、
難
(
むずか
)
しい望みと案じていたが——かく成就したことは、まったく神明の御加護とただありがたく思われる。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
財務の
名匠
(
めいしょう
)
たることは、戦陣の名将たる以上、人間として
難
(
むずか
)
しいものとみえる。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人生、四十五十の境ほど、
過
(
あやま
)
ち多いときはない。世の信望、地位の得意、みなこの頃にあるが、ひとたび
辷
(
すべ
)
ると、若い時代とちごうて、出直しの
難
(
むずか
)
しい山坂じゃ。——そちも大成を心がけてくれよ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
敢
(
あえ
)
て
難
(
むずか
)
しく事を取り上げた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“難”の意味
《名詞》
(ナン)災難。
(ナン)欠点、難点。
(出典:Wiktionary)
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
“難”を含む語句
難有
困難
有難
気難
災難
難波津
難波
非難
患難
難渋
難所
危難
為難
艱難
苦難
難波江
出難
事難
出来難
小難
...