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難
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なん
ふりがな文庫
“
難
(
なん
)” の例文
鼻筋
(
はなすぢ
)
の
象牙彫
(
ざうげぼり
)
のやうにつんとしたのが
難
(
なん
)
を
言
(
い
)
へば
強過
(
つよす
)
ぎる……かはりには
目
(
め
)
を
恍惚
(
うつとり
)
と、
何
(
なに
)
か
物思
(
ものおも
)
ふ
體
(
てい
)
に
仰向
(
あをむ
)
いた、
細面
(
ほそおも
)
が
引緊
(
ひきしま
)
つて
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、たちどころに、
御座
(
ぎょざ
)
をめぐる人々の間から、ここを不安とする説が出た。余りに、山奥すぎて、糧道の
難
(
なん
)
すらあるというのである。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或
(
ある
)
ひは
娘共
(
むすめども
)
が
仰向
(
あふむけ
)
に
臥
(
ね
)
てゐる
時分
(
じぶん
)
に、
上
(
うへ
)
から
無上
(
むしゃう
)
に
壓迫
(
おさへつ
)
けて、つい
忍耐
(
がまん
)
する
癖
(
くせ
)
を
附
(
つ
)
け、
難
(
なん
)
なく
強者
(
つはもの
)
にしてのくるも
彼奴
(
きゃつ
)
の
業
(
わざ
)
。
乃至
(
ないし
)
は……
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
懸けければ此方は
彌々
(
いよ/\
)
愕然
(
びつくり
)
し急に
顏色
(
がんしよく
)
蒼醒
(
あをざめ
)
後の方を振返るに
夫
(
それ
)
召捕
(
めしとれ
)
と云間も有ず數十人の捕手
襖
(
ふすま
)
の
影
(
かげ
)
より走り出
難
(
なん
)
無
(
なく
)
高手
(
たかて
)
小手に
繩
(
なは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
随分死の苦しみをしたであろうに、家の者はぐっすり
寝込
(
ねこ
)
んで
些
(
ちっと
)
も知らなかった。昨秋以来鼬の
難
(
なん
)
にかゝることこゝに五たびだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
一 王を尊び民を
憐
(
あはれ
)
むは學問の本旨。然らば此天理を極め、人民の義務にのぞみては
一向
(
ひたすら
)
難
(
なん
)
に當り、一同の義を可
キ
レ
立
ツ
事。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
この
鋸
(
のこぎり
)
で
難
(
なん
)
なく
切
(
き
)
れる
家尻
(
やじり
)
を五つ
見
(
み
)
て
来
(
き
)
ましたし、
角兵ヱ
(
かくべえ
)
は
角兵ヱ
(
かくべえ
)
でまた、
足駄
(
あしだ
)
ばきで
跳
(
と
)
び
越
(
こ
)
えられる
塀
(
へい
)
を五つ
見
(
み
)
て
来
(
き
)
ました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
いま十五少年諸君の行動を
検
(
けん
)
するに、
難
(
なん
)
に
処
(
しょ
)
して
屈
(
くっ
)
せず、事に
臨
(
のぞ
)
んであわてず、われわれおとなといえども及びがたきものがすこぶる多い。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
すると
見
(
み
)
るまに
車
(
くるま
)
の
運転
(
うんてん
)
は
止
(
と
)
まってしまいました。で、
群集
(
ぐんしゅう
)
は、この
無礼
(
ぶれい
)
な
自動車
(
じどうしゃ
)
を
難
(
なん
)
なく
押
(
お
)
さえることができました。
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おや、しまった」と、こんどはお手をつかみますと、そのお手の玉飾りの
緒
(
ひも
)
もぷつりと切れたので、
難
(
なん
)
なくお手をすり
抜
(
ぬ
)
いてお
逃
(
に
)
げになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
やっと水の
難
(
なん
)
をのがれたと思ったら、またしてもこんなおそろしいめにあうなんて、なんという運の悪さでしょう。
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところが「和解」丈けは、氏としては珍らしい程の
長篇
(
ちやうへん
)
であり、亦、
構圖
(
こうづ
)
や
表現
(
へうげん
)
の點に多少の
難
(
なん
)
がある爲めに、それに就ていろ/\の
議論
(
ぎろん
)
を聞きました。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
今
(
いま
)
は
死
(
し
)
を
待
(
ま
)
つばかりなり。
即
(
すなは
)
ち
難
(
なん
)
を
貴下
(
きか
)
の
許
(
もと
)
に
報
(
ほう
)
ず、
稻妻
(
いなづま
)
幸
(
さひはひ
)
に
死
(
し
)
せずして、
貴下
(
きか
)
に
此
(
この
)
書
(
しよ
)
を
呈
(
てい
)
するを
得
(
え
)
ば、
大佐
(
たいさ
)
よ、
乞
(
こ
)
ふ
策
(
はかりごと
)
を
廻
(
めぐ
)
らして
吾等
(
われら
)
の
急難
(
きふなん
)
を
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
へ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此処に於て賊軍は京都に入り、名和長年、千種忠顕等の諸将
難
(
なん
)
に死し、天皇は難を比叡山に避け給うた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
彼女ならば女学校も
難
(
なん
)
なく入れるであろうに、コトエは六年きりでやめるという。あきらめているのか、うらやましそうでもないコトエに、たずねたことがある。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
大乗の
欣求
(
ごんぐ
)
もあり得ないわけでございます、大乗は
易
(
い
)
にして、小乗は
難
(
なん
)
なりと
偏執
(
へんしゅう
)
してはなりませぬ、難がなければ易はありませぬ、易に
堕
(
だ
)
しては難が
釈
(
と
)
けませぬ
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こういう
価
(
あたい
)
なしに務めるものがあればこそ、旅行中にも
雨曝
(
あまざら
)
しの
難
(
なん
)
を
免
(
まぬか
)
れる。こういう心がけのものが多ければ多きほど、人生なる
旅路
(
たびじ
)
は真の
快楽
(
かいらく
)
幸福を増すものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
海
(
うみ
)
ならず
山
(
やま
)
ならぬ
人世
(
じんせい
)
の
行路
(
かうろ
)
難
(
なん
)
今
(
いま
)
初
(
はじ
)
めて
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
り
淵瀬
(
ふちせ
)
ことなる
飛鳥川
(
あすかがは
)
の
明日
(
あす
)
よりは
何
(
なに
)
とせん
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
〔評〕十年の
難
(
なん
)
、賊の
精鋭
(
せいえい
)
熊本城下に
聚
(
あつま
)
る。而て
援軍
(
えんぐん
)
未だ達せず。谷中將死を以て之を守り、少しも動かず。
賊勢
(
ぞくせい
)
遂に屈し、其兵を東する能はず。
昔者
(
むかし
)
加藤
嘉明
(
よしあき
)
言へるあり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
気の毒なのはその婦人で私の身代りにそういう
難
(
なん
)
に陥ったようなものでございます。その後ダージリンにおいて聞くところによるとシンガポールの宿屋は非常に困ったそうです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
彼を讚むべきもの却つて彼を十字架につけ、故なきに
難
(
なん
)
じ、汚名を負はしむ 九一—九三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
是
(
かく
)
の如くなる可からざる也、と云い、
晦庵
(
かいあん
)
の言を
難
(
なん
)
しては、朱子の
寱語
(
げいご
)
、と云い、
惟
(
ただ
)
私意を
逞
(
たくま
)
しくして以て仏を
詆
(
そし
)
る、と云い、朱子も
亦
(
また
)
怪なり、と云い、晦庵
此
(
かく
)
の如くに心を用いば
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
財主
(
ざいしゆ
)
の
妹
(
いもうと
)
を
殺
(
ころ
)
したる
一條
(
いちじよう
)
を
難
(
なん
)
じて「その
氣質
(
きしつ
)
はかねて
聞
(
きゝ
)
たる
正直質樸
(
せうじきしつぼく
)
のものたるに、これをも殺したるはいかにぞや………さてはのち
我
(
われ
)
にかへりて大にこれを痛み悔ゆべきに、」云々と
言
(
い
)
はれたり。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
そのありがたさを吾が
后
(
のち
)
へも
示
(
しめ
)
さんとて
筆
(
ふで
)
の
序
(
ついで
)
にしるせり。近年は山家の人、家を作るに此
雪頽
(
なだれ
)
を
避
(
さけ
)
て地を
計
(
はか
)
るゆゑその
難
(
なん
)
まれなれども、
山道
(
やまみち
)
を
往来
(
ゆきゝ
)
する時なだれにうたれ死するもの
間
(
まゝ
)
ある事なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
湖南
(
こなん
)
の
浄慈寺
(
じょうじじ
)
に来てわしを尋ねるが宜い、今、わしが
偈
(
げ
)
を云って置くから、覚えているが宜い、
本
(
もと
)
これ
妖蛇
(
ようじゃ
)
婦人に変ず、
西湖
(
せいこ
)
岸上
(
がんじょう
)
婦身
(
ふみ
)
を売る、
汝
(
なんじ
)
慾
(
よく
)
重きに
因
(
よ
)
って
他計
(
たけい
)
に
遭
(
あ
)
う、
難
(
なん
)
有れば
湖南
(
こなん
)
老僧を見よ
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
博士は、あぶないところで、
難
(
なん
)
をまぬかれた。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
子を
褒
(
ほ
)
めつゝも
難
(
なん
)
少しいふ
北枝
(
ほくし
)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
星の飛ぶ夢は、色情の
難
(
なん
)
あり。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
侵逼
(
しんぴつ
)
難
(
なん
)
とは之なんめり。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
現朝廷の
妲己
(
だっき
)
である。いつかは
女奏
(
にょそう
)
の
難
(
なん
)
に会おう。そのとき、腹をたてて弓をひけば、自分もまた道誉の無節操と似た者となるしかない。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
危
(
あぶな
)
いとも
思
(
おも
)
はずにずつと
懸
(
かゝ
)
る、
少
(
すこ
)
しぐら/″\としたが
難
(
なん
)
なく
越
(
こ
)
した。
向
(
むか
)
ふから
又
(
また
)
坂
(
さか
)
ぢや、
今度
(
こんど
)
は
上
(
のぼ
)
りさ、
御苦労
(
ごくらう
)
千万
(
せんばん
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
入させ給ふべき
這
(
こ
)
は全く徳太郎君の御名を
騙
(
かた
)
る
曲者
(
くせもの
)
それ
召捕
(
めしとれ
)
と
烈
(
はげ
)
しき聲に與力ども心得たりと左右より
組付
(
くみつき
)
難
(
なん
)
なく
繩
(
なは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今
(
いま
)
、
端艇
(
たんてい
)
を
出
(
いだ
)
して、
吾等
(
われら
)
の
九死一生
(
きゆうしいつしやう
)
の
難
(
なん
)
を
救
(
すく
)
つて
呉
(
く
)
れたのは、
疑
(
うたがひ
)
もない、
先刻
(
せんこく
)
の
白色巡洋艦
(
はくしよくじゆんやうかん
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
花
(
はな
)
のき
村
(
むら
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、
村
(
むら
)
を
盗人
(
ぬすびと
)
の
難
(
なん
)
から
救
(
すく
)
ってくれた、その
子供
(
こども
)
を
探
(
さが
)
して
見
(
み
)
たのですが、けっきょくわからなくて、ついには、こういうことにきまりました、——それは
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
西洋の新聞や雑誌に、しばしば日本の実業家の
品性
(
ひんせい
)
すなわち商業道徳なるものを
難
(
なん
)
じている。われわれとてもいかに
讃
(
ほ
)
めたくも、日本の商業道徳を西洋のそれに
優
(
まさ
)
るとはいいかねる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それにしても、入り海をとりかこんだ村むらにとって、大昔から何かにつけて目じるしにされてきた
名物
(
めいぶつ
)
の老松が
難
(
なん
)
にあったのを、地元のじぶんが気づかずにいたのが恥ずかしかった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
この
大將
(
たいしやう
)
の
若樣
(
わかさま
)
難
(
なん
)
なく
敏
(
さとし
)
が
擒
(
とりこ
)
になりけり、
令孃
(
ひめ
)
との
中
(
なか
)
の
睦
(
むつ
)
ましきを
見
(
み
)
るより、
奇貨
(
きくわ
)
おくべしと
竹馬
(
たけうま
)
の
製造
(
せいざう
)
を
手
(
て
)
はじめに、
植木
(
うゑき
)
の
講譯
(
かうしやく
)
、いくさ
物語
(
ものがたり
)
、
田舍
(
ゐなか
)
の
爺
(
ぢい
)
婆
(
ばあ
)
は
如何
(
いか
)
にをかしき
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのありがたさを吾が
后
(
のち
)
へも
示
(
しめ
)
さんとて
筆
(
ふで
)
の
序
(
ついで
)
にしるせり。近年は山家の人、家を作るに此
雪頽
(
なだれ
)
を
避
(
さけ
)
て地を
計
(
はか
)
るゆゑその
難
(
なん
)
まれなれども、
山道
(
やまみち
)
を
往来
(
ゆきゝ
)
する時なだれにうたれ死するもの
間
(
まゝ
)
ある事なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「一
難
(
なん
)
さってまた一難か。こりゃ
昌仙
(
しょうせん
)
、こんどこそは、かならずそちの
采配
(
さいはい
)
にまかす。なんとか、
妙策
(
みょうさく
)
をあんじてくれ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蟹を噛るのは
難
(
なん
)
ですが、優しい
娘
(
こ
)
ですから、今にも帰りますと、せめて若いものの手で扱わせようと存じまして、やっとがまんをしましたほどです。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伊勢屋
(
いせや
)
の男共は見付
扨
(
さて
)
こそ盜人は此坊主ならんと大勢にて
難
(
なん
)
なく旅僧を捕へたり三郎
兵衞
(
べゑ
)
は家内を改め見るに金五百兩
有
(
あら
)
ねば金は何所へ隱せしぞと彼の旅僧を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
の
如
(
ごと
)
く
現在
(
げんざい
)
其
(
その
)
難
(
なん
)
に
臨
(
のぞ
)
んで、
弦月丸
(
げんげつまる
)
が
悲慘
(
ひさん
)
なる
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
ぐるまで、
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
に
殘
(
のこ
)
つて
居
(
を
)
つた
身
(
み
)
は、
今更
(
いまさら
)
其
(
その
)
始終
(
しじゆう
)
を
懷想
(
くわいさう
)
しても
身
(
み
)
の
毛
(
け
)
の
彌立
(
よだ
)
つ
程
(
ほど
)
で、とても
詳
(
くわ
)
しい
事
(
こと
)
を
述立
(
のべた
)
てるに
忍
(
しの
)
びぬが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
○
雪頽
(
なだれ
)
の
難
(
なん
)
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「はて。ならんと仰せなれば、ぜひもない。——しかし、いかなる
難
(
なん
)
が降ッてわいても、おさしつかえはないのだな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
實
(
まこと
)
や、
人
(
ひと
)
住
(
す
)
んで
煙
(
けむり
)
壁
(
かべ
)
を
洩
(
も
)
るで、……
誰
(
たれ
)
も
居
(
ゐ
)
ないと
成
(
な
)
ると、
南向
(
みなみむ
)
きながら、
日
(
ひ
)
ざしも
淡
(
うす
)
い。が、
引越
(
ひきこ
)
すとすれば
難
(
なん
)
には
成
(
な
)
らぬ。……
折
(
をり
)
から
家
(
いへ
)
も
探
(
さが
)
して
居
(
ゐ
)
た。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
○
雪頽
(
なだれ
)
の
難
(
なん
)
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
絶望的
(
ぜつぼうてき
)
な
驚
(
おどろ
)
きにうたれたのは、とっさ、
竹童
(
ちくどう
)
の感じたところで、いわゆる、一
難
(
なん
)
去
(
さ
)
ってまた一難、もうとてものがれる
術
(
すべ
)
はないものと
覚悟
(
かくご
)
をきめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
途中
(
とちう
)
で
出
(
で
)
あつたと
言
(
い
)
つて、
吉井勇
(
よしゐいさむ
)
さんが
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた。これは、
四谷
(
よつや
)
に
居
(
ゐ
)
て
無事
(
ぶじ
)
だつた。が、
家
(
いへ
)
の
裏
(
うら
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
に
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
つて
難
(
なん
)
を
避
(
さ
)
けたのださうである——
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
此
(
これ
)
を、
難
(
なん
)
ずるのでも、
嘲
(
あざ
)
けるのでもない。
況
(
いはん
)
や
決
(
けつ
)
して
羨
(
うらや
)
むのではない。
寧
(
むし
)
ろ
其
(
そ
)
の
勇氣
(
ゆうき
)
を
稱
(
たゝ
)
ふるのであつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、
鳥居
(
とりい
)
をくぐって、およそな
見当
(
けんとう
)
のところをしきりにさがしはじめたが、さあこの
矢
(
や
)
のほうにも一
難
(
なん
)
がある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“難”の意味
《名詞》
(ナン)災難。
(ナン)欠点、難点。
(出典:Wiktionary)
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
“難”を含む語句
難有
困難
有難
気難
災難
難波津
難波
非難
患難
難渋
難所
危難
為難
艱難
苦難
難波江
出難
事難
出来難
小難
...