がて)” の例文
塵埃ほこりたかる時分にゃあ掘出しのある半可通はんかつうが、時代のついてるところが有りがてえなんてえんで買って行くか知れねえ、ハハハ。白丁はくちょう軽くなったナ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
値切ねぎりもしずに佐野までめ、其の上五十銭の祝儀もくれ、酒を呑ませ飯まで喰わせると云うから、がてい旦那だと思ったが、たゞの人と違い、死人しびとじゃけねえが
なお此処ここに、「富人とみびといへ子等こどもの着る身無みなくたし棄つらむ絹綿らはも」(巻五・九〇〇)、「麁妙あらたへ布衣ぬのぎぬをだに着せがてに斯くや歎かむむすべを無み」(同・九〇一)という歌もあるが
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
なお此歌の処に、「宇治河は淀瀬よどせ無からし網代人あじろびと舟呼ばふ声をちこち聞ゆ」(巻七・一一三五)、「千早人ちはやびと宇治川浪を清みかもたびく人の立ちがてにする」(同・一一三九)等の歌もある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)