ところ)” の例文
旧字:
太い丸太のさきを円めて二本植ゑた、校門のところへ来ると、いづれ女生徒の遺失おとしたものであらう、小さい赤櫛が一つ泥の中に落ちてゐた。健はそれを足駄の歯で動かしてみた。櫛は二つに折れてゐた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
顳顬こめかみところを蒼くして帰って行った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)