“ほとり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホトリ
語句割合
52.9%
29.6%
5.1%
1.9%
1.9%
1.6%
1.6%
1.2%
0.8%
一人0.4%
0.4%
0.4%
河畔0.4%
0.4%
0.4%
火熱0.4%
近邊0.4%
附近0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
偶々たまたま道に迷うて、旅人のこのあたりまで踏み込んで、この物怖しの池のほとりに来て見ると、こは不思議なことに年若い女が悄然しょんぼりたたずんで
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
げに珍しからぬ人の身の上のみ、かかる翁を求めんには山のかげ、水のほとり、国々にはさわなるべし。されどわれいかでこの翁を忘れえんや。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
我はこの溪のほとり、エブロとマークラ(短き流れによりてゼーノヴァびととトスカーナ人とを分つ)の間に住める者なりき 八八—九〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
溝渠のほとりなる帆を張りたる軍艦に、洋館の側に起る納曾利の古曲に、煉瓦の壁の隣りなる格子戸の御神灯に
市街を散歩する人の心持 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
何十里かぶっとばした後、馬も人もようやく疲れてくると、高原の中の小川を求めてそのほとりに下り、馬にみずかう。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
竜は腹の中の重味を持ち扱つて愚図/\してゐる間に、激烈な神経衰弱に襲はれて、青い湖のほとりまで差しかゝると列車が停止するやうに静かに悶死した。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
しばらク喜ブ、老身今ひとリ在リ、しかラザレバ当時瀘水ノほとり、身死シテ魂ニ骨収メラレズ、マサニ雲南望郷ノ鬼トナルベシ……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
されど治子は一度われをこの泉のほとりに導きしより二年ふたとせに近き月日を経て今なおわれを思いわれを恋うてやまず、昨夜の手紙を読むものたれかこの清き乙女おとめあわれまざらん。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
こゝにこの水流るゝがために、水を好む野茨のばら心地ここちよく其のほとりに茂って、麦がれる頃は枝もたわかんばしい白い花をかぶる。薄紫の嫁菜よめなの花や、薄紅の犬蓼いぬたでや、いろ/\の秋の草花も美しい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あれこそは此世このよ名譽めいよといふ名譽めいよが、った一人ほとり王樣わうさまとなって、すわ帝座ていざぢゃ。おゝ、なんといふ獸物けだものぢゃわしは、かりにもかたわるういふとは!
吾等われら三人みたりまつたはなれて、ずつと船首せんしゆ海圖室かいづしつほとりせた。
十二月庚午かのえうまついたち、皇太子片岡に遊行いでます。時に飢ゑたるひと道のほとりせり。りて姓名かばねなを問ひたまふ。而してまをさず。皇太子飲食をしものを与へたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
千曲の河畔ほとりへ出たと思うと、何ぞ計らん、渡船小屋らしい物を中心に、一かたまりの人馬が、こっちを見て、俄に、弓に矢をつがえたり、ほこ、長柄の刀などを構えて、何か、喊声かんせいをあげ始めた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(憶ふ昔し曾て曲水のほとりに遊ぶや、未だ春ならざるにとこしへに春を探るの人有りしに、春に遊ぶの人尽きて空く池在り、直ちに春の深きに至りて春に似ず。)
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
昔大竜大湖のほとりかわぬぎ、その鱗甲より虫出で頃刻しばらくして蜻蜓のあかきにる、人これを取ればおこりを病む、それより朱蜻蜓を竜甲とも竜孫ともいいえてそこなわずと載せたを見て
まだいくらか火熱ほとりがあつた。平三は歩きながら自分から好んで骨箱を持つた心持を考へて見た。彼の心には多少悔恨の念があつた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
垣根かきね近邊ほとりたちはなれて、見返みかへりもせず二三すゝめば遣水やりみづがれおときよし、こゝろこゝにさだまつておもへば昨日きのふれ、彷彿はうふつとして何故なにゆゑにものおもひつる
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つきひかりのきら/\と反射はんしやしてるなどはれず、港内かうない電燈でんとうひかり煌々くわう/\たる波止塲はとば附近ほとりからずつと此方こなたまで、金龍きんりうわしなみうへには、船艦せんかんうかこと幾百艘いくひやくさうふねふね前檣ぜんしやう白燈はくとう右舷うげん緑燈りよくとう