ほとり)” の例文
澪標の語は『延喜式』に難波津なにわづほとり、海中に澪標を立つとあるのが初めで『万葉』には水咫衝石の字をつと『和訓栞わくんのしおり』に言ってある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しばらク喜ブ、老身今ひとリ在リ、しかラザレバ当時瀘水ノほとり、身死シテ魂ニ骨収メラレズ、マサニ雲南望郷ノ鬼トナルベシ……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
女を生めばなお比隣ひりんに嫁するを得、男を生めば埋没して百草にしたがう。君見ずや青海のほとり、古来白骨人の収むるなし。新鬼は煩寃はんえんし旧鬼は哭す。天くもり雨湿うるおうて声啾々しゅうしゅうたり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
あやしともはなはだ異し! く往きて、疾くかへらんと、にはかひきゐくるまに乗りて、白倉山しらくらやまふもと塩釜しおがま高尾塚たかおづか離室はなれむろ甘湯沢あまゆざわ兄弟滝あにおととのたき玉簾瀬たまだれのせ小太郎淵こたろうがぶちみちほとりに高きは寺山てらやま、低きに人家の在る処
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)