“かたわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.7%
不具22.2%
片輪9.8%
7.5%
不具者3.3%
片破2.9%
2.6%
畸形1.3%
片割1.3%
片羽1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は私の早まった行為をくやむかたわら、不思議にも安心に似たような気分が湧き、同時にまた幾分か理性が働きかけたようにも思った。
犬神 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
此の大事でえじな人間の指い切るの、足い切るのと云って人を不具かたわにするような御遺言状おかきもののこしたという御先祖さまが、如何いかにも馬鹿気た訳だ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
人間の畸形きけいにも不具と出来過ぎとが確かにある。大男も片輪かたわのうちにかぞえるのは、いわゆる鎖国時代の平民の哀れな遠慮であろう。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
血塔と名をつけたのも無理はない。アーチの下に交番のような箱があって、そのかたわらに甲形かぶとがたの帽子をつけた兵隊が銃を突いて立っている。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
せめて克子を不具者かたわなりにも一人の人間として世の中へ出してやるには、克子と同じような子供のための特殊学校のある都会で暮したいと
赤いステッキ (新字新仮名) / 壺井栄(著)
蕙蓮けいれんめかけにしたと云っても、帝国軍人の片破かたわれたるものが、戦争後すぐに敵国人を内地へつれこもうと云うんだから、人知れない苦労が多かったろう。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
日曜日で自分の内にいるのをうかがっていてしゃべり出したかと思われる。わば天下に呼号して、かたわら石田をして聞かしめんとするのである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
学校教育と家庭とが全き人間を作る事を忘れて、畸形かたわな賢母良妻主義や夫唱婦和説を固守している間はやむをえない現象だと存じます。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
おかげで俺のかたきは打った、まだ片割かたわれは二人残っているが、それは三月みつき四月よつきのちだ、しかし、その時は、別にお前の手を借りなくても好いから、心配しなくって好い、では別れよう、別れのしるし
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
兎に角片羽かたわになる前の織部正は我武者羅がむしゃらな餓鬼大将のような性質で、こんなにいじけてはいなかったのである。