“そび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
98.7%
0.4%
0.2%
0.2%
曾比0.2%
素引0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市兵衛町の表通には黄昏たそがれ近い頃なのに車も通らなければ人影も見えず、夕月が路端みちばたそびえた老樹の梢にかかっているばかりであった。
枇杷の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そう思うと、殺気が、サーッとわれとわがそびらに流れて来て、ブルブルと手足がわななくのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
よね そるばツてん、昨夜ゆうべあるから、ここで寝てしもうなんのて、おまいも、よつぽど、呑気かね。おらあ、今朝、眼ん覚めつ時、そびあ、お前が寝とるもんだるけん、びつくりしたツばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
もう一ぺんうでみうと思つてちや、声ん出んだツたツ。寝台のそびあ立つたまま、あん人んとるつらばぢつと見とツたツた。そしたりや、ひよくつと布団ば被つてしもたツだもね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
『和名鈔』の時代には曾比そび、それが『壒嚢抄あいのうしょう』には少微しょうびとなり、近世に入っては少鬢しょうびんともなったが、なお播磨はりまでは将人しょうにん伯耆ほうき出雲いずもでは初人しょにん備前びぜん美作みまさかでは初爾しょにといって
と重々しく素引そびきかけると、酒井は事も無げな口吻くちぶり
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)