“かたは”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタハ
語句割合
不具27.3%
24.2%
片葉12.1%
不具者7.6%
6.1%
4.5%
片端4.5%
片羽4.5%
畸形3.0%
廢人1.5%
(他:3)4.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一つ間違へば命も失はなければならん、不具かたはにもれなければならん、阿父さんの身の上を考へると、私は夜も寝られんのですよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それに、宿から借りて居た自炊の道具も皆返して了ふし、机も何もなくなつてるし、薄暗いへや中央まんなかに此不具かたはな僕が一人坐つてるのでせう。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
といつて、かたはらにくびをたれた忠兵衛ちゆうべえをみやつたガラスのにはなみだがあるのかとおもはれました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
貝塚より魚骨魚鱗の出づるかたはら是等遺物の存在そんざいするは實にコロボックル漁業ぎよげふの法を明示するものと云ふべきなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
少くとも保吉は誰に聞いたのか、狸の莫迦囃子の聞えるのは勿論、おいてき堀や片葉かたはよしも御竹倉にあるものと確信していた。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
摂津の大物だいもつうら片葉かたはあししかきないといふ伝説は古い蘆刈の物語に載つてゐる。
「でもあなたはお金持だから、ジエィン、きつとあなたの世話をするお友達があつて、私のやうな盲目めくら不具者かたはなんぞに身を捧げたりすることを許さないだらう?」
まことに世の中は不幸なる人の集合あつまりと云うても差支さしつかへない程です、現に今まこゝ団欒よつてる五人を御覧なさい、皆な社会よのなか不具者かたはです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
其に今一つ、万葉集が奈良朝のものだと定めたい考へが、既に古くからあつた筈だから、かたはらかうした解釈がついたものと思はれる。
万葉集のなり立ち (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
南洲輿中より之を招き、其背をつて曰ふ、好在たつしやなれと、金を懷中くわいちゆうより出して之に與へ、かたはら人なき若し。
明日あしたになさいな、ねえ!』と久子がかたはらから言つた、『吉野さんも然う遊ばせな何卒。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「渠が旅行に出る度毎に女を拵らへて來ないことはない」とあるかたはらに、誰れかのいたづらで、
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
片端かたはの足を誰にも氣付かれまいと憔悴やつれる思ひで神經を消磨してゐた内儀さんの口惜しさは身を引き裂いても足りなかつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
レジナにてうさぎうまを雇ひ、葡萄圃、貧しげなる農家など見つゝり行くに、漸くにして草木の勢衰へ、はては片端かたはになりたる小灌木、半ば枯れたる草の莖もあらずなりぬ。
なにとちかひて比翼ひよくとり片羽かたはをうらみ、無常むじようかぜ連理れんりゑだいきどほりつ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「次は誰だ、字喜多うきた氏にしよう。型は当流でのたか片羽かたはだ。右肩を胸板まで切り下げる呼吸だ。用心! 行くぞ! 防いでごらん」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
若しあばら二三本打ち折りて、おなじやうなる畸形かたはとなし、往來ゆきゝの人の袖に縋らせんとならば、それも好し。
あの小童こわつぱ物の用に立つべきか、身内に何の畸形かたはなるところかある、と一人云へば、をぢ答へて。
立派に廢人かたはといはるべき身にもあらで、たゞ目の見えぬを手柄顏に、わが口に入らむとする「パン」を奪ふこそ心得られねといひき。
片刃かたはの太刀をひらめかす
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
片翼かたはになって大道に倒れた裸の浜猫を、ぼての魚屋が拾ってくれ、いまは三河島辺で、そのばさら屋の阿媽おっかあだ、と煮こごりの、とけ出したような、みじめな身の上話を茶のとぎにしながら——よぼよぼの若旦那が——さすがは江戸前でちっともめげない。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御身の如き片輪かたは風情の迷ひ猫を何条なんでう主人と思はむや。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)