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傍
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かたは
ふりがな文庫
“
傍
(
かたは
)” の例文
彼女自身は裁縫やお花などを習ふ
傍
(
かたは
)
ら、今迄の玉帳とはちがつた小遣帳をつけたり、婦人雑誌やラヂオで教はつた
惣菜
(
そうざい
)
料理を拵へたり
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
追駈
(
おひかけ
)
昌次郎と途中にて行違ひと成り梅一人河原に
待
(
まち
)
居たる所雲助
風俗
(
ふうぞく
)
の者女を
勾引
(
かどはか
)
し來り打叩くを
傍
(
かたは
)
らにて梅は驚き
迯出
(
にげいだ
)
す所を又其者梅を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そしてその
傍
(
かたは
)
らで書きかけの原稿を書き終つたし、また或新聞社へ行つて、樺太からあちらの通信をすることを引き受ける相談をも整へた。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
隆治が、帽子をとつて、挨拶をしやうとすると、すつかり興奮し切つてゐる妻の綾子は
傍
(
かたは
)
らからさう云つて、ずん/\座敷の方へ行きかけた。
ある死、次の死
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
僕は豪遊なんぞしたくない。
斯
(
か
)
うして新聞配達をしながら
傍
(
かたは
)
ら文学を研究してゐるが、志す所は一生に一度不朽の大作を
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
午過ぎになると、所在なくて、文典など讀みだしたが、今までのやうに
傍
(
かたは
)
ら人無きが如き態度ではゐられなくて、兄の足音が聞えると書物を脇へ片寄せた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
利根
(
とね
)
の
水源
(
すゐげん
)
を
確定
(
かくてい
)
し、
越後
(
えちご
)
及
(
およ
)
ひ
岩代
(
いわしろ
)
と
上野
(
かうずけ
)
の国境を
定
(
さだ
)
むるを主たる
目的
(
もくてき
)
となせども、
傍
(
かたは
)
ら
地質
(
ちしつ
)
の
如何
(
いかん
)
を
調査
(
てうさ
)
し、
将来
(
しやうらい
)
開拓
(
かいたく
)
すべき
原野
(
げんや
)
なきや
否
(
いなや
)
、
良山林
(
りやうさんりん
)
ありや
否
(
いなや
)
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
責めるといふよりも、寧ろそれは
憫
(
あは
)
れむに近く、静かに、彼女のからだを起して、
傍
(
かたは
)
らを頤で指しました。
けむり(ラヂオ物語)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
といつて、
傍
(
かたは
)
らに
首
(
くび
)
をたれた
忠兵衛
(
ちゆうべえ
)
をみやつたガラスの
眼
(
め
)
には
泪
(
なみだ
)
があるのかとおもはれました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
その又O君の
傍
(
かたは
)
らには妙にものものしい義足が一つ、白
足袋
(
たび
)
の足を
仰向
(
あふむ
)
かせてゐた。
O君の新秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やがて好き首尾の有らんやうに
拠無
(
よりどころな
)
き頼を
繋
(
か
)
けつつ、彼は
懊悩
(
おうのう
)
に堪へざる毎に取出でては写し
易
(
か
)
ふる
傍
(
かたは
)
ら、
或
(
ある
)
は書添へ、或は改めなどして、この文に向へば
自
(
おのづか
)
らその人に向ふが如く
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
キーツと止ると、パタンと扉を押す音、自動車の客席は、白い強い明りに、パツと切ツ
削
(
そ
)
いだやうに一部面を見せる。大概、夜更けての客は、若く、逞しく、そして白い顏が
傍
(
かたは
)
らにある。
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
貝塚より魚骨魚鱗の出づる
傍
(
かたは
)
ら是等遺物の
存在
(
そんざい
)
するは實にコロボックル
漁業
(
ぎよげふ
)
の法を明示するものと云ふべきなり。釣り竿の
有無
(
ゆうむ
)
は考へ
難
(
かた
)
けれど、
網
(
あみ
)
は
恐
(
おそ
)
らく
曳
(
ひ
)
き
網
(
あみ
)
なりしならんと思はる。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
灸點
(
きうてん
)
横町の多の市といふのはお
灸
(
きう
)
と
鍼
(
はり
)
の名人で、神田中に響いた盲人ですが、稼業の
傍
(
かたは
)
ら高利の金を廻し、吸ひ附いたら離れないからといふので、蛸市と
綽名
(
あだな
)
を取つてゐるほど、
強
(
したゝ
)
か者だつたのです。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼れは透谷の坐りたる
傍
(
かたは
)
らに
若干
(
じやくかん
)
の紙幣が紙に包まれて在りしことを発見せり。而して其紙片には失敬ながら
些
(
いさ
)
さか友人の窮を救はんとすと云ふ趣意を書きありき。彼れは之を見て感泣したりと云ふ。
透谷全集を読む
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
傍
(
かたは
)
ら物を食つたり、酒を飲んだりする処がある。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
それとも又罪のない
傍
(
かたは
)
らの柱をか
心の姿の研究
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
以て歸らんことは思ひも
寄
(
よら
)
ず
如何
(
いかゞ
)
はせんと座中を見廻すに是幸ひ
傍
(
かたは
)
らに文右衞門の
煙草盆
(
たばこぼん
)
ありしかば其の中へ右の金子二十五兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
曾
(
かつ
)
て
聞
(
き
)
く沼岸には岩代上野の県道即ち
会津
(
あいづ
)
街道
(
かいどう
)
ありて、
傍
(
かたは
)
らに一小屋あり、会津檜枝岐村と
利根
(
とね
)
の
戸倉村
(
とくらむら
)
との交易品を蔵する所にして、檜枝岐村より会津の名酒を此処に
運
(
はこ
)
び
置
(
お
)
けば
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
落葉松
(
からまつ
)
の森を背にしたテニスコートの
傍
(
かたは
)
ら。日が落ちて、橙色の雲の一塊が、雪をいたゞいた遠い峰を覆つてゐる。今テニスを終つたばかりの四人、そのうちの女二人は境笛子と母の杉江である。
桔梗の別れ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
事ともせず
日々
(
ひゞ
)
加古川の
渡守
(
わたしもり
)
して
貧
(
まづ
)
しき中にも母に孝養怠らざりし其内老母は風の心地とて
臥
(
ふし
)
ければ兵助は
家業
(
かげふ
)
を
休
(
やす
)
み母の
傍
(
かたは
)
らを
離
(
はなれ
)
ず藥用も手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“傍”を含む語句
近傍
路傍
傍若無人
傍人
傍観
其傍
片傍
傍目
傍輩
傍聞
傍題
傍眼
両傍
傍岡
直傍
傍見
御傍
傍聴
傍視
傍々
...