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不具
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かたは
ふりがな文庫
“
不具
(
かたは
)” の例文
色
(
いろ
)
と
言
(
い
)
ひ、また
雪
(
ゆき
)
の
越路
(
こしぢ
)
の
雪
(
ゆき
)
ほどに、
世
(
よ
)
に
知
(
し
)
られたと
申
(
まを
)
す
意味
(
いみ
)
ではないので——
此
(
これ
)
は
後言
(
くりごと
)
であつたのです。……
不具
(
かたは
)
だと
言
(
い
)
ふのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一つ間違へば命も失はなければならん、
不具
(
かたは
)
にも
為
(
さ
)
れなければならん、阿父さんの身の上を考へると、私は夜も寝られんのですよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二本でも時々
観世物
(
みせもの
)
などに来ることがあります。これは「両頭の蛇」と云つて、蛇の
不具
(
かたは
)
です。
蛙
(
かはづ
)
や
蜥蜴
(
とかげ
)
などにも、よくこんなのがゐます。
原つぱの子供会
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
それに、宿から借りて居た自炊の道具も皆返して了ふし、机も何もなくなつてるし、薄暗い
室
(
へや
)
の
中央
(
まんなか
)
に此
不具
(
かたは
)
な僕が一人坐つてるのでせう。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして
普魯西
(
プロシヤ
)
で
捕虜
(
とりこ
)
になつてゐる甥の名前と収容所の
所書
(
ところがき
)
とを渡すと、それから一週間ほど経つて、甥は
不具
(
かたは
)
になつた捕虜の
幾人
(
いくたり
)
と一緒に瑞西に送り帰されて来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
傴僂
(
せむし
)
のやうに思ひますが、別に
不具
(
かたは
)
な樣子はなく、竹のやうに長くて武骨な手足、
白痴
(
はくち
)
のやうに陰氣で無表情な顏、油つ氣のない
髷
(
まげ
)
、何處から見ても、お舟と一緒に置いて
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仮令
(
たとへ
)
急に悪病が起つて耻かしい様な
不具
(
かたは
)
になつても、
御見棄
(
おみす
)
てなさらぬのでせうかの、フン、言ひたい熱を吹いて、
何処
(
どこ
)
に今時、損徳も考へずに女房など貰ふ馬鹿があるものか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ところが、
不具
(
かたは
)
の人や、
怪我
(
けが
)
した人や、病気になつた人や、生きてゐても何ののぞみもないやうな人たちが、ひどく苦しみまして、死神をよぶ声が、あちらにもこちらにも起りました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
重右め、
不具
(
かたは
)
だもんだで、姫つ子が何うしても承知しねえ、二
夜
(
ばん
)
、三
夜
(
ばん
)
、五
夜
(
ばん
)
ほど続けて行つて、姫つ子を幾人も変へて見たが、
何奴
(
どいつ
)
も、此奴も厭だアつてぬかして言ふ事を聞かねえだ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
寧
(
いっ
)
そ若い身空で
不具
(
かたは
)
となって生きるよりは、このまゝ死んで呉れた方がお葉の為めでもあり、また自分にもその方がいゝかもしれないなどゝ考へて居たが、かうして娘はベッドにねて居るが
青白き夢
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
神が
獻物
(
さゝげもの
)
の半分で滿足なさるとあなたは思ふのですか。神は、
不具
(
かたは
)
の犧牲をお受け
容
(
い
)
れになるでせうか。僕が云ひ張るのは神さまの爲めです。僕は、神の
旗印
(
はたじるし
)
の下に、あなたを召集するのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
卿
(
そなた
)
の
戀
(
こひ
)
の
盟約
(
ちかひ
)
は
内容
(
なかみ
)
の
無
(
な
)
い
空誓文
(
からぜいもん
)
、なりゃこそ
養育
(
はごく
)
まうと
誓
(
ちか
)
うた
戀
(
こひ
)
をも
殺
(
ころ
)
してのけうと
爲
(
し
)
やるのぢゃ、
卿
(
そなた
)
の
分別
(
ふんべつ
)
は
姿
(
すがた
)
や
戀
(
こひ
)
の
飾
(
かざり
)
ぢゃが、
本體
(
ほんたい
)
が
善
(
よ
)
うないので
不具
(
かたは
)
となり、
愚
(
おろか
)
な
卒
(
そつ
)
が
藥筐
(
くすりいれ
)
の
火藥
(
くわやく
)
のやうに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
白痴
(
ばか
)
か、狂氣か、
不具
(
かたは
)
か、唖か、
墮胎藥
(
おろしぐすり
)
を
喫
(
の
)
まされた
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「太政官は、身體の何處ぞが
不具
(
かたは
)
やてなア。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
のぞみのない
不具
(
かたは
)
めが
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
唐變木
(
たうへんぼく
)
であり變人であり、
不具
(
かたは
)
ぢやないかなどと、惡口を言はれるほどの謹直さでした。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新聞に在る通だけれど、
不具
(
かたは
)
になるやうな事も無いさうだが、
全然
(
すつかり
)
快
(
よ
)
くなるには
三月
(
みつき
)
ぐらゐはどんな事をしても
要
(
かか
)
るといふ話だよ。誠に気の毒な、それで、
阿父
(
おとつ
)
さんも大抵な心配ぢやないの。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「この見えぬ眼! この
不具
(
かたは
)
の腕!」と彼は悲しげに呟いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
不具
(
かたは
)
の父もてる
三太
(
さんた
)
はかなし
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「今度は綱渡りの綱を切つた奴があるんです。お鈴はお振袖を着たまゝお客の頭の上へ眞つ逆樣に落ちて、眼を廻す騷ぎだ。幸ひ息は吹返したが、足を折つたさうで
不具
(
かたは
)
になるかも知れません」
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
直
(
すぐ
)
に
貴方
(
あなた
)
に会うて、是非これは思返すやうに飽くまで忠告して、それで聴かずば、もう人間の取扱は為ちやをられん、腹の
癒
(
い
)
ゆるほど
打踣
(
うちのめ
)
して、一生結婚の成らんやう立派な
不具
(
かたは
)
にしてくれやう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“不具”で始まる語句
不具者
不具物
不具車
不具根性
不具退転