片羽かたは)” の例文
「次は誰だ、字喜多うきた氏にしよう。型は当流でのたか片羽かたはだ。右肩を胸板まで切り下げる呼吸だ。用心! 行くぞ! 防いでごらん」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よろしくまうされたりと、きみの前に出すを見給ひて、一三八片羽かたはにもあらぬはと興じ給ひて、又一三九さかづきげてめぐらし給ふ。
城に最も接近した城下町の一部分を片原かたはらまたは片羽かたはというのも同じ例で数がはなはだ多い。鹿児島県の各村で士族の居住する区域を必ずふもとと呼ぶのも山下と同じものである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ありしは何時いつの七せき、なにとちかひて比翼ひよくとり片羽かたはをうらみ、無常むじようかぜ連理れんりゑだいきどほりつ、此處こヽ閑窓かんさうのうち机上きじやう香爐かうろえぬけふりのぬしはとへば、こたへはぽろり襦袢じゆばんそでつゆきて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
片羽かたはあげても移れかし
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
岡山市・津山町・高梁たかはし町等にもある地名で、すなわち城山の麓の民居という意味である。名古屋及び静岡の町の名に片羽かたはというのがある。これもまた片平・片原町・片町等と同類の地名かと思われる。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
がたりの片帆かたほ片羽かたは
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)