片割かたわ)” の例文
やはり敵方てきがた片割かたわれであった。うかつなことをさきに口へもらさなくてよかったと、咲耶子は心のうちで思うのだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おかげで俺のかたきは打った、まだ片割かたわれは二人残っているが、それは三月みつき四月よつきのちだ、しかし、その時は、別にお前の手を借りなくても好いから、心配しなくって好い、では別れよう、別れのしるし
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「やい、戸倉。どこへ隠したのか、黄金メダルの片割かたわれを!」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
助けて慈悲にならぬのは心中の片割かたわれであります。