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其美
お
前さんは
日の
出の
盛な
處を
見て、
元氣よく
働らいたのは
宜しい、これからは、
其美くしい
處を
見て、
美くしい
働をも
爲るが
可からう。
美しい
事を。
傷ましきまで
疲れたれど
其美くしさは
神々しき
樣に
成りぬ。
(六九)語に
曰く『
其美を
(七〇)將順し、
其惡を
(七一)匡救す、
故に
上下能く
相親しむ』と。
豈に
管仲の
謂乎。
さればこそ
一たび
見たるは
先づ
驚かれ
再び
見たるは
頭やましく
駿河臺の
杏雲堂に
其頃腦病患者の
多かりしこと
一つに
此娘が
原因とは
商人のする
掛直なるべけれど
兎に
角其美は
爭はれず