“懐裡”のいろいろな読み方と例文
旧字:懷裡
読み方割合
ふところ80.0%
くわいり20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馭者は懐裡ふところさぐりて、油紙の蒲簀莨入かますたばこいれを取り出だし、いそがわしく一服を喫して、直ちに物語の端をひらかんとせり。白糸は渠が吸い殻をはたくを待ちて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「善さん、しッかりなさいよ、お紙入れなんかお忘れなすッて」と、お熊が笑いながら出した紙入れを、善吉は苦笑いをしながら胸もあらわな寝衣ねまき懐裡ふところへ押し込んだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「ハムレツト」の幽霊は実に此観念、この畏怖より、シヱークスピアの懐裡くわいりうまれたり。
他界に対する観念 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)