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懐裡
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ふところ
ふりがな文庫
“
懐裡
(
ふところ
)” の例文
旧字:
懷裡
馭者は
懐裡
(
ふところ
)
を
捜
(
さぐ
)
りて、油紙の
蒲簀莨入
(
かますたばこい
)
れを取り出だし、いそがわしく一服を喫して、直ちに物語の端を
発
(
ひら
)
かんとせり。白糸は渠が吸い殻を
撃
(
はた
)
くを待ちて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「善さん、しッかりなさいよ、お紙入れなんかお忘れなすッて」と、お熊が笑いながら出した紙入れを、善吉は苦笑いをしながら胸もあらわな
寝衣
(
ねまき
)
の
懐裡
(
ふところ
)
へ押し込んだ。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
貫一はこの五年間の家族を
迫
(
せ
)
めての一人も余さず、家倉と共に
焚尽
(
やきつく
)
されて一夜の中に
儚
(
はかな
)
くなり
了
(
をは
)
れるに会ひては、おのれが
懐裡
(
ふところ
)
の物の
故無
(
ゆゑな
)
く消失せにけんやうにも頼み難く覚えて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
小猫は
懐裡
(
ふところ
)
に抱かれたままで、ごろごろうなっています。
嵐の夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
善吉は
懐裡
(
ふところ
)
の紙入れを火鉢の縁に置き
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
“懐裡”の意味
《名詞》
ふところ。
心中。むねの内。
(出典:Wiktionary)
懐
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
裡
漢検準1級
部首:⾐
12画
“懐”で始まる語句
懐
懐中
懐手
懐紙
懐疑
懐剣
懐炉
懐柔
懐刀
懐妊