はた)” の例文
安心あんしんあそばしてください、下界げかい穀物こくもつがすきまもなく、に、やまに、はたにしげっています。また樹々きぎには果物くだものかさなりってみのっています。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
たちまち左手ゆんでの畑みちより、夫婦と見ゆる百姓二人話しもてで来たりぬ。午餉ひるげを終えて今しもはたで行くなるべし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
馬の家の南に荒れたはたがあって、そこにたるきの三四本しかない小舎こやがあった。陶はよろこんでそこにおって、毎日北の庭へきて馬のために菊の手入れをした。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
此頃はいまだはた平一面ひらいちめんの雪の上なれば、たはたの上をさらし場とするもあり、日の内にさらしふみへしたる処あれば、手頃てごろいたをつけたる物にて雪の上をたひらかにならしおく也。
鋤返すこと三度なる豐かのはたに農民は
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
朝菜あさなつむとてはたにゆき
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ふゆになると、ゆきってきて、はたもまたいえも、ゆきなかもれてしまったのです。小鳥ことりは、毎日まいにちのようにれたはやしにきては、いいこえでさえずっていました。
おかしいまちがい (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたも平一面の雪なればひくべき所へ直道すぐみちにひきゆくゆゑ甚べんなり。
はたも平一面の雪なればひくべき所へ直道すぐみちにひきゆくゆゑ甚べんなり。