はた)” の例文
新字:
汝等斯くして淵の律法おきてを破れるか、はた天上のさだめ新たに變りて汝等罰をうくといへどもなほわが岩に來るをうるか。 四六—四八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
徳を以て、はた人を以て、柱とも石とも頼まれし小松殿、世を去り給ひしより、誰れ言ひ合はさねども、心ある者の心にかゝるは、同じく平家の行末なり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
令史れいしすくなからず顛動てんどうして、夜明よあけて道士だうしもといた嗟歎さたんしてふ、まことのなすわざなり。それがしはたこれ奈何いかんせむ。道士だうしいはく、きみひそかにうかゞふことさら一夕ひとばんなれ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたりにふねたるが如く暗夜あんやにともし火をたるが如なりはた經文きやうもんの心をたるが如く也此經文きやうもんの心にて見ればうゑたるものしよくを得たるか旅人りよじんのこめなればひとへにはだかなる者衣類いるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はた又三月初より又々持病相起、幾度繰返し灸治きうちいたし候得共一向其しるしも不相見候間、自分は不治之しやうと明め居候處、不※も當月六日 主上より侍醫並獨逸醫ホフマンと申者御遣に相成候付
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
に自らをほこりつゝ、はたのろひぬる、あはれ、人の世。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ひしめき溢るるさやぎ、——はたまた聞く
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
汝のことば我を欺くかはた我を試むるか、汝トスカーナの方言くにことばにて我と語りて而して少しも善きゲラルドの事をしらざるに似たり 一三六—一三八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
はたまた、千束ちづかふみ一言ひとことも返さざりし我が無情を恨み給はん時、いかにいらへすべき、など思ひ惑ひ、恥かしさも催されて、御所ごしよ拔出ぬけいでしときの心の雄々をゝしさ、今更いまさら怪しまるゝばかりなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
飴色網代蹴出黄棒の乘物といふいま天一坊樣の御身も御親子ごしんし御對顏ごたいがんの上は西丸へ直らせらるゝや又御三家格けかくなるやはた會津家越前家同樣なるや抑々御譜代並の大名にならせ給ふや定めなき御身分ゆゑ朱塗しゆぬりの上に黒漆を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
吾は聽く、夜の靜寂しづけきに、したゝりの落つるをはた、落つるを。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
緑にはたや紫に、愛の、欣求ごんぐの、信のつぶ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
こは汝をしていかに深きことわりによりてかのいと聖なる旗に、これを我有わがものとなす者もはたこれにはむかふ者も、ともにさからふやを見しめん爲なり 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
はた永の徒歩かちに疲れしにや、二人とも弱り果てし如く、踏み締むる足に力なく青竹あをだけの杖に身を持たせて、主從相扶け、あへぎ/\のぼり行く高野かうやの山路、早や夕陽も名殘を山の巓に留めて、そばの陰、森の下
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
はたまた連峰みねみね澤野さはの雪降り敷く
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
たゞ洗禮バッテスモを受けず信仰に入らずしてぬるあらんに、かゝる人を罰する正義いづこにありや、彼信ぜざるもそのとがはたいづこにありやと 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)