はた)” の例文
はたらくのもいが、はたらくなら、生活以上のはたらきでなくつちや名誉にならない。あらゆる神聖な労力は、みんな麺麭パンを離れてゐる」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まへさんはさかんところて、元氣げんきよくはたらいたのはよろしい、これからは、其美そのうつくしいところて、うつくしいはたらきをもるがからう。うつくしいことを。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あはれみ給ふ故ならんこゝは一番二人が力をつくしてはたらかにやならぬ其方そなたなんと思ふと問けるに助十ももとより正直者しやうぢきものにて勘太とはだいの不和なればいふにや及ぶ力を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
臨床方面では既に学生時代から郡会病院ではたらき、そののち郡会医を勤めた経験もあること、などを述べている。
「さあ、みんなよくはたいてくれましたね。おいしいおしるこができたから、はいっておべなさい。」と、吉郎よしおくんのおかあさんが、戸口とぐちてきて三にんをおびになりました。
雪消え近く (新字新仮名) / 小川未明(著)
(私、もうお母さんと一緒いっしょはたらこうと思います。勉強べんきょうしているひまはないんです。)
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一人ひとりのそのわか女性ぢよせいにさういふふうはたらきかけてつたのは事実じじつであつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そのにぶ容態なりふりのいづこにかずるはたらかせにやにやと笑ひつつあり。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さうすりや、何をはたらいたつて、又どうはたらいたつて、構はない、只麺麭パンが得られゝばいと云ふ事に帰着して仕舞ふぢやないか。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三郎兵衞方へ申入れしに早速承知しようちしければ庄藏は我家へ歸り其おもぶきを常樂院へ物語れば常樂院はひとへに足下のはたらきなりしと賞賛しやうさんし庄藏を案内として大和屋三郎兵衞方におもむべん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「私は、今事務所じむしょから、こちらではたらけと云われてやってまいりました。」
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一日いちにちまた一日いちにちはたらいておいいたるのをすこしもかんじない樣子やうすです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「猛烈にははたらけるかも知れないが誠実にははたらきにくいよ。ためはたらきと云ふと、つまりふのと、はたらくのと何方どつちが目的だと思ふ」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
(馬は仕方しかたない。もう大きくなったからこれからひとりではたらくんだ。)
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
こゝに彼長庵が惡事の手先てさきはたらき十兵衞の女房お安を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それも下女げぢよ臺所だいどころはたらいてゐるときは、だしもだが、きよかげおともしないとなると、なほことへん窮屈きゆうくつかんじがおこつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どんなに精力せいりよく消耗せうかうする仕事しごとでもいから、もうすこ積極的せききよくてき身體からだはたらかしたくおもつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれあか無言むごんまゝはたらかしながら、馬尻ばけつなか雜巾ざふきんしぼつて障子しやうじさんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎ははゝからた三拾円を枕元へ置いて寐た。此三拾円も運命の翻弄がんだものである。此三拾円が是からさきどんなはたらきをするか、丸でわからない。自分はこれを美禰子にかへしにく。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)