はた)” の例文
旧字:
もちろん人間にみつく余裕はなかったが、それでも時々起ちあがって、自分のゆく先の邪魔になる人々をその強い手ではたき倒した。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あたかも強く吹いて来る川風のために二つの火縄は消されてしまった。はっと思う間もなしに、市五郎ははたかれたか蹴られたか、声を立てずにその場に倒れた。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
男は熊にはたかれたために左の腕をいためているらしかったが、そのほかにひどい怪我もなかった。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)