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繒
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はた
ふりがな文庫
“
繒
(
はた
)” の例文
夜ごと日ごとに鏡に向える女は、夜ごと日ごとに鏡の
傍
(
そば
)
に坐りて、夜ごと日ごとの
繒
(
はた
)
を織る。ある時は明るき
繒
(
はた
)
を織り、ある時は暗き
繒
(
はた
)
を織る。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
シャロットの女の織るは不断の
繒
(
はた
)
である。草むらの
萌草
(
もえぐさ
)
の厚く茂れる底に、釣鐘の花の沈める様を織るときは、花の影のいつ浮くべしとも見えぬほどの濃き色である。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
濁世
(
じょくせ
)
にはびこる罪障の風は、すきまなく天下を吹いて、十字を織れる
経緯
(
たてよこ
)
の目にも入ると覚しく、焔のみは
繒
(
はた
)
を離れて飛ばんとす。——薄暗き女の部屋は
焚
(
や
)
け落つるかと怪しまれて明るい。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
繒
部首:⽷
18画
“繒”を含む語句
繒具
千繒高繒
弓繒
繒布
繒綵