はた)” の例文
「あなたの鉤は魚を釣りましたが、一つも得られないで遂に海でなくしてしまいました」と仰せられますけれども、なおしいて乞いはたりました。
それゆえ、この歌にこたえた、「檀越だむをちかもな言ひそ里長さとをさらが課役えつきはたらばなれなからかむ」(巻十六・三八四七)という歌の例と、万葉にただ二例あるのみである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
みましの鉤は、魚釣りしに一つの魚だに得ずて、遂に海に失ひつ」とまをしたまへども、その兄あながちに乞ひはたりき。
ここにその大神に語りて、つぶさにその兄の失せにし鉤をはたれる状の如語りたまひき。