はた)” の例文
真顔作れる母は火鉢ひばちふちとん煙管きせるはたけば、他行持よそゆきもちしばらからされてゆるみし雁首がんくびはほつくり脱けて灰の中に舞込みぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
馭者は懐裡ふところさぐりて、油紙の蒲簀莨入かますたばこいれを取り出だし、いそがわしく一服を喫して、直ちに物語の端をひらかんとせり。白糸は渠が吸い殻をはたくを待ちて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何を何時までべらべら喋舌しゃべってるんだい」と磯は矢張やはりお源の方はむかないで、手荒く煙管きせるはたいて言った。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)