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果
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はた
ふりがな文庫
“
果
(
はた
)” の例文
「ウィルソン霧函」が、現在世界の物理学の主流となっている原子物理学の領域で
果
(
はた
)
している任務の重さが十分理解されるであろう。
「茶碗の湯」のことなど
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
敗
(
やぶ
)
れたる
專
(
せん
)
門
棋士
(
きし
)
の
胸
(
けう
)
中や
果
(
はた
)
して如何に? どんな
勝負
(
せうふ
)
事も
背
(
はい
)
後に生
活
(
くわつ
)
問題
(
もんだい
)
が
裏
(
うら
)
附けるとなれば一そう
尖鋭化
(
せんえいくわ
)
してくる事は明かだが
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
果
(
はた
)
して
島本
(
しまもと
)
は、とくに
注意
(
ちゅうい
)
はしなかつたけれど、
金魚
(
きんぎょ
)
を
見
(
み
)
たつていいました。そして、ひらひらしていて
美
(
うつく
)
しかつた、といつたんです
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
花柳
(
くわりう
)
に身を
果
(
はた
)
したるものゆゑはなしもおもしろく才もありてよく用を
弁
(
べん
)
ずるゆゑ、をしき人に
銭
(
ぜに
)
がなしとて
亡兄
(
ばうけい
)
もたはむれいはれき。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
宗助
(
そうすけ
)
にも
御米
(
およね
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
程
(
ほど
)
稀
(
たま
)
な
客
(
きやく
)
なので、
二人
(
ふたり
)
とも
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
があつての
訪問
(
はうもん
)
だらうと
推
(
すゐ
)
したが、
果
(
はた
)
して
小六
(
ころく
)
に
關
(
くわん
)
する
件
(
けん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
其時
(
そのとき
)
貴方
(
あなた
)
は
他
(
た
)
の
人
(
ひと
)
に、
解悟
(
かいご
)
に
向
(
むか
)
ひなさいとか、
眞正
(
しんせい
)
の
幸福
(
かうふく
)
に
向
(
むか
)
ひなさいとか
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
の
効力
(
かうりよく
)
が
果
(
はた
)
して、
何程
(
なにほど
)
と
云
(
い
)
ふことが
解
(
わか
)
りませう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
尤
(
もっと
)
も
私
(
わたくし
)
の
申上
(
もうしあ
)
ぐるところが
果
(
はた
)
して
日本
(
にほん
)
の
古
(
ふる
)
い
書物
(
しょもつ
)
に
載
(
の
)
せてあることと
合
(
あ
)
っているか、いないか、それは
私
(
わたくし
)
にはさっぱり
判
(
わか
)
りませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
気
(
き
)
のきいた
運転士
(
うんてんし
)
が
車
(
くるま
)
をつけたところが、
果
(
はた
)
してそれであつた、
彼
(
かれ
)
は
門前
(
もんぜん
)
で
車
(
くるま
)
をおりて、
右側
(
みぎがわ
)
の
坂道
(
さかみち
)
を
爪先上
(
つまさきあが
)
りに
登
(
のぼ
)
つて
行
(
い
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
今や工学士油蹈天は、
大任
(
たいにん
)
を
果
(
はた
)
して、めでたくこの砂漠へ帰ってきたのであった。醤の喜びは、察するに余りある次第であった。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
怨んで、出逢ひ次第討ち
果
(
はた
)
すと言つてゐたよ。尤も高木勇名といふ男は、一年ほど前から大病で、身動きも出來ないといふことだ
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此日雲飛は
待
(
ま
)
ちに
待
(
ま
)
つた日が
來
(
き
)
たので
夜
(
よ
)
の
明方
(
あけがた
)
に
海岱門
(
かいたいもん
)
に
詣
(
まう
)
で見ると、
果
(
はた
)
して一人の
怪
(
あや
)
しげな男が
名石
(
めいせき
)
を
擔
(
かつ
)
いで
路傍
(
みちばた
)
に立て居るのを見た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
栃木県の一部にはこの鳥をキヨモリという処があることを、これも『本草啓蒙』に録しているが、
果
(
はた
)
して現在まで伝わっているかどうか。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
聊
(
いさゝか
)
も
其
(
そ
)
の
平常
(
ふだん
)
の
化粧
(
けしやう
)
と
違
(
たが
)
ふことなかりしとぞ。
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
庇髮
(
ひさしがみ
)
、あの
夥
(
おびたゞ
)
しく
顏
(
かほ
)
に
亂
(
みだ
)
れたる
鬢
(
びん
)
のほつれは
如何
(
いかに
)
、
果
(
はた
)
してこれ
何
(
なん
)
の
兆
(
てう
)
をなすものぞ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
果
(
はた
)
せる哉、鴎外は
必定
(
てっきり
)
私が自己吹聴のため、ことさらに他人の短と自家の長とを対比して書いたものと推断して、
怫然
(
むっ
)
としたものと見える。
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
勘作はその
詞
(
ことば
)
に従って石磴をおりて往った。そして、土手を内へ入って人家のある方へ歩いていると、
果
(
はた
)
して牛を牽いた
老人
(
ろうじん
)
がやって来た。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは自分が
果
(
はた
)
す仕事ではなく、果させてもらう仕事であります。この意味で他力の道は
易行
(
いぎょう
)
の道であり衆生の道であります。
益子の絵土瓶
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それで
銅
(
どう
)
と
鐵
(
てつ
)
の
二
(
ふた
)
つの
中
(
うち
)
、いづれかゞ
使用
(
しよう
)
されることになりましたが、
果
(
はた
)
してどちらが
先
(
さき
)
に
使用
(
しよう
)
されたかについては
今
(
いま
)
なほ
議論
(
ぎろん
)
があります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
序
(
ついで
)
だから
言
(
い
)
つて
置
(
お
)
くが、
私
(
わたくし
)
は
初
(
はじ
)
め
此
(
この
)
船
(
ふね
)
に
乘組
(
のりく
)
んだ
時
(
とき
)
から
一見
(
いつけん
)
して
此
(
この
)
船長
(
せんちやう
)
はどうも
正直
(
しようじき
)
な
人物
(
じんぶつ
)
では
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
つたが
果
(
はた
)
して
然
(
しか
)
り、
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
老人
余
(
よ
)
に
越遊
(
ゑついう
)
を
奨
(
すゝめ
)
しこと年々なり。
余
(
よ
)
固
(
もとより
)
山水に
耽
(
ふける
)
の
癖
(
へき
)
あり、ゆゑに
遊心
(
いうしん
)
勃
(
ぼつ
)
々たれども事に
紛
(
まぎれ
)
て
果
(
はた
)
さず。丁酉の
晩夏
(
ばんか
)
遂
(
つひ
)
に
豚児
(
せがれ
)
京水を
従
(
したがへ
)
て
啓行
(
けいかう
)
す。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
汝の知らんと欲するは、
果
(
はた
)
されざりし誓ひをば人他の
務
(
つとめ
)
によりて
償
(
つぐの
)
ひ、魂をして
論爭
(
あらそひ
)
を
免
(
まぬが
)
れしむるをうるや
否
(
いな
)
やといふ事是なり。 一三—一五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それでも
彼
(
かれ
)
の
強健
(
きやうけん
)
な
鍛練
(
たんれん
)
された
腕
(
うで
)
は
定
(
さだ
)
められた一
人分
(
にんぶん
)
の
仕事
(
しごと
)
を
果
(
はた
)
すのは
日
(
ひ
)
が
稍
(
やゝ
)
傾
(
かたぶ
)
いてからでも
強
(
あなが
)
ち
難事
(
なんじ
)
ではないのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
コロボツクルの男子中
果
(
はた
)
して衣服を
着
(
つけ
)
ざる者有りとせばアイヌは
實
(
じつ
)
に其
無作法
(
ぶさはふ
)
に
驚
(
おどろ
)
きしならん。氣候の
寒暖
(
かんだん
)
は衣服の有無を
决定
(
けつてい
)
するものに
非
(
あら
)
ず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も、
山頂
(
さんてう
)
の
凸起
(
とつき
)
する
地點
(
ちてん
)
に
調査
(
てうさ
)
を
試
(
こゝろ
)
み、
果
(
はた
)
して
古墳
(
こふん
)
であるか
否
(
いな
)
かを
確
(
たしか
)
める
必用
(
ひつよう
)
を
生
(
しやう
)
じたので、
地主側
(
ぢぬしがは
)
の
請願
(
せいぐわん
)
もあり
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
帰国以来僕は心に
創痍
(
きず
)
を得て、いまだ父の墓参をも
果
(
はた
)
さずにゐる。家兄の書信に
拠
(
よ
)
ると八十吉は十二で死んでゐるから僕の十一のときであつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
これで何百年来この山国を
閙
(
さわが
)
した𤢖の
眷族
(
けんぞく
)
も、
果
(
はた
)
して全滅したであろうか。
或
(
あるい
)
は
猶
(
なお
)
其余類
(
そのよるい
)
が山奥に
潜
(
ひそ
)
んでいるであろうか。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
丁度
誂
(
あつら
)
えたように十五夜のまん丸な月が其上に出て居た。然し其時は
遽
(
あわ
)
たゞしい旅、山に上るも
果
(
はた
)
さなかった。今はじめて其
懐
(
ふところ
)
を
辿
(
たど
)
るのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
然
(
しか
)
れども水神ありて
華陰
(
かいん
)
の夜に現われ、
璧
(
たま
)
を使者に托して、今年
祖龍
(
そりゅう
)
死せんと
曰
(
い
)
えば、
果
(
はた
)
して始皇やがて
沙丘
(
しゃきゅう
)
に崩ぜり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
唯物論者
(
ゆゐぶつろんしや
)
や一般の科学者は物体が
唯一
(
ゆゐいつ
)
の実在であつて、万物は皆物力の法則に従ふと言ふ。しかし実在の真相は
果
(
はた
)
してかくの
如
(
ごと
)
きものであらうか。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
其からは落第の恥辱を
雪
(
すす
)
がねば
措
(
お
)
かぬと発奮し、
切歯
(
せっし
)
して、
扼腕
(
やくわん
)
して、
果
(
はた
)
し
眼
(
まなこ
)
になって、又鵜の真似を継続して
行
(
や
)
った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お前は
果
(
はた
)
して、しんじつ
果
(
はた
)
してここにいるならば、わたしの今の話を聴取ることが出来るだろう——今ちょっとあの鴉をお前の墓の上へ飛ばせて御覧
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
二郎が耳にした物悲しき
横笛
(
フリュート
)
の音、今又この死体を飾る、可憐なる野菊の花束、これは
果
(
はた
)
して何を語るものであろう。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それから二人は、「まあ
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
行ってみよう」と云って、一緒に墓所へ出掛けて行った。見ると、
果
(
はた
)
して、墓石の字の、「本」が「木」になっている。
□本居士
(新字新仮名)
/
本田親二
(著)
途中で一度彼は席を離れて、何か仲間に通信でもしたい風でしたが、私が傍を離れなかったので
果
(
はた
)
しませんでした。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
舌打ちをしながら押し分けて進むと、いつか爪先が仰ぐようになる。此笹原が峠の頂上だったのだ。東の斜面を少し下った処に
果
(
はた
)
して雪田が現われた。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
長吉は観劇に対するこれまでの経験で「夜」と「
川端
(
かわばた
)
」という事から、きっと
殺
(
ころ
)
し
場
(
ば
)
に違いないと幼い好奇心から
丈伸
(
せの
)
びをして首を
伸
(
のば
)
すと、
果
(
はた
)
せるかな
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お
前様
(
めえさま
)
ア留守勝で
家
(
うち
)
の事は御存じござんねえが、
悪戯
(
いたずら
)
は
果
(
はた
)
すかは知らねえが、
頑是
(
がんぜ
)
がねえ
十
(
とお
)
にもなんねえ正太郎だから、少しぐれえの事は勘弁して下さえ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「無礼をするな、拙者は
御徒町
(
おかちまち
)
の島田虎之助じゃ、
果
(
はた
)
し
合
(
あ
)
いならば時を告げて
来
(
きた
)
れ、恨みがあらばその
由
(
よし
)
を言え」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その次にふり向いたとき、
果
(
はた
)
せるかな、殆ど目の前の対岸から、はつきりと彼の方を向き、ためらひながら何か云ひたげにしてゐるやうな相手の顔を見た。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
これに対してヨブは答えるのである「神が
果
(
はた
)
してかくの如きものならば世のこの状態は何の
故
(
ゆえ
)
ぞ、善人かえって衰え悪人かえって栄えつつあるにあらずや」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
呉起
(
ごき
)
、
公主
(
こうしゆ
)
の・
魏
(
ぎ
)
の
相
(
しやう
)
を
賤
(
いや
)
しむを
見
(
み
)
、
(一〇四)
果
(
はた
)
して
魏
(
ぎ
)
の
武矦
(
ぶこう
)
に
辭
(
じ
)
す。
武矦
(
ぶこう
)
之
(
これ
)
を
疑
(
うたが
)
うて
信
(
しん
)
ぜず。
呉起
(
ごき
)
、
罪
(
つみ
)
を
得
(
う
)
るを
懼
(
おそ
)
れ、
遂
(
つひ
)
に
去
(
さ
)
り、
即
(
すなは
)
ち
楚
(
そ
)
に
之
(
ゆ
)
く。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
従来
藤原村
(
ふじはらむら
)
三十六万町歩即凡そ十三里四方ありと
号
(
ごう
)
する者
果
(
はた
)
して
真
(
しん
)
なりや
否
(
いなや
)
、
動植物
(
どうしよくぶつ
)
及
(
およ
)
び鉱物の
新奇
(
しんき
)
なるものありや否等を
究
(
きはむ
)
るに
在
(
あ
)
り、又藤原村民の言に曰く
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
(多分肺結核であらう。男は話をし乍らも、何遍も咳入った)そこで仕方なしに、那覇で仕事の口を捜さうとしてる中に有金を使ひ
果
(
はた
)
して宿屋を逐ひ出された。
奥間巡査
(新字旧仮名)
/
池宮城積宝
(著)
嫌
(
きら
)
ひて幼年なれば今四五年も
相待
(
あひまつ
)
べしと
止
(
とゞ
)
め候故
本意
(
ほんい
)
なくは思へども師匠の仰せ
默止難
(
もだしがた
)
く是迄は
打過
(
うちすぎ
)
候なり此度こそ
幸
(
さいは
)
ひに日頃の
宿願
(
しゆくぐわん
)
を
果
(
はた
)
すべき時なり何卒
此儀
(
このぎ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
果
(
はた
)
して妻は
糟毛
(
かすげ
)
がお産をしました。親の乳も余りはりません
犢
(
こうし
)
も小さい。月が少し早いようですと報告した。予も起きて往て見ると母牛のうしろ
一間
(
いっけん
)
許
(
ばかり
)
はなれて。
牛舎の日記
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私はその子の
麦稈帽
(
むぎわらぼう
)
を軽くたたいた。かの小さな美しい城の
白光
(
はっこう
)
が
果
(
はた
)
していつまでこのおさない
童子
(
どうし
)
の記憶に
明
(
あか
)
り
得
(
う
)
るであろうか。そしてあの蒼空が、雲の輝きが。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
此
(
この
)
愛
(
あい
)
ちやんはローリー
鳥
(
てう
)
が
果
(
はた
)
して
幾
(
いく
)
つ
年
(
とし
)
とつて
居
(
ゐ
)
るか、それを
聞
(
き
)
かない
中
(
うち
)
は
承知
(
しようち
)
しませんでした、がローリー
鳥
(
てう
)
が
何
(
ど
)
うしても
其年齡
(
そのとし
)
を
云
(
い
)
ふのを
拒
(
こば
)
んだものですから
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
果
(
はた
)
して外国人に
干渉
(
かんしょう
)
の意あらんにはこの
機会
(
きかい
)
こそ
逸
(
いっ
)
すべからざるはずなるに、
然
(
しか
)
るに当時外人の
挙動
(
きょどう
)
を見れば、別に
異
(
こと
)
なりたる
様子
(
ようす
)
もなく、長州
騒動
(
そうどう
)
の
沙汰
(
さた
)
のごとき
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
アウステルリッツのどの赫々たる日がこの光栄に——かつて「
精神
(
エスプリ
)
」が
果
(
はた
)
し得た最も輝かしい光栄
ベートーヴェンの生涯:02 ベートーヴェンの生涯
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
あのチブスは、ローウッドで傳染の使命を
果
(
はた
)
すと、次第に衰へて行つた。しかしそのうちに病氣の害毒と犧牲者の數とが學校に世間の注意を惹くやうな結果を齎した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
私
共
(
ども
)
は天の
眷属
(
けんぞく
)
でございます。
罪
(
つみ
)
があってただいままで雁の形を
受
(
う
)
けておりました。
只今
(
ただいま
)
報
(
むく
)
いを
果
(
はた
)
しました。私共は天に帰ります。ただ私の一人の孫はまだ帰れません。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
果
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
“果”を含む語句
効果
結果
果物
無花果
果實
因果
果実
相果
效果
果然
果報
朽果
果敢
果合
仏果
成果
倦果
無花果樹
其果
苹果
...