撲地はた)” の例文
... とてもかくてもこの外に、鼠をさがらんにかじ」ト、言葉いまだおわらざるに、たちまち「あっ」と叫ぶ声して、鴨居かもいより撲地はた顛落まろびおつるものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
市郎はあッと顔を押えながら、腹立紛はらたちまぎれの殆ど無意識に、お杉の胸のあたりを強く突くと、彼女かれは屏風倒しに撲地はたと倒れた。袋の山毛欅は四方に散乱した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
矢比やごろを測つてひょうと放てば。竄点ねらい誤たず、かれが右のまなこ篦深のぶかくも突立つったちしかば、さしもにたけき黄金丸も、何かはもってたまるべき、たちま撲地はたと倒れしが四足を悶掻もがいてしんでけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
後に撲地はたと倒るるを、なほ続けさまに打ちたたかれしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)