はた)” の例文
それから杜は、ミチミと房子との二重の名のついた「尋ね人」のはたを担いで、避難民の固まっているバラックをそれからそれへと訪ねていった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
文意の前後重複のところあるだろうがひとえにそれは許して貰いたい、要は、こうして圓朝打倒の大はたを揚げた人たちはかえって内に外にいつも空しく惨敗を喫することとはなってしまったのだった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
そのはたの下に、見晴らしのいい桟敷さじきがあって、醤主席は、幕僚ばくりょうを後にしたがえ、口をへの字に結んでいた。