なお)” の例文
みずからかえりみてなおからば千万人といえども、吾れかんとの独立自重じちょうの心は誰人たれびとにもなくてはならぬけれども、いわばどちらでも好いことに角立かどだてて世俗に反抗するほどの要なきものが多い。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ここにおいてか警察部長チーフコンステーブルは万一をおもんぱかり、彼に向かってせつに集会を中止せんことを求めたけれども、元来彼ロイド・ジョージは、自らかえりみてなおからずんばかつ寛博かんぱくといえどもわれおそれざらんや
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
内に省みてやましからず、自ら反してなおきもまたこの物にして、乃ち天地に俯仰ふぎょうして愧怍きさくするなく、これを外にしては政府教門の箝制する所とならず、これを内にしては五慾六悪の妨碍ぼうがいする所とならず