“萎縮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしゅく86.8%
ゐしゆく2.9%
いしゆく2.9%
いじ2.9%
いじけ1.5%
いぢ1.5%
すく1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二階の正面に陣取じんどって、舞台や天井てんじょう、土間、貴顕きけんのボックスと、ずっと見渡した時、吾着物の中で土臭つちくさからだ萎縮いしゅくするように感じた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
富岡は時々眼をあけて相槌あひづちを打つやうに返事をしてゐたが、人の話なぞどうでもよかつた。萎縮ゐしゆくした無気力さで、さかづきを唇へ運んだ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
いつも細かく神経をつかつてゐる彼女が、子供のどつちかゞ遠慮して硬くなつたり、怯気づいて萎縮いしゆくしたりするやうな場合に、幸福と感謝に浸つてゐるこゝろ
二人の病人 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
子供を育てるにしろ、人を使うにしろ、相手をすっかり萎縮いじけさしてしまって、その特色を引き抜いてしまいます。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
すると御家老様の仰しゃるには、いずれ秋には、浅野家の後へ、お国替くにがえしてくる何処かの御家中が見るだろう、誰が見ようと咲く花にちがいはなし、萎縮いじけた花は残しとうないからと仰しゃる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
痛み易い少年期に於いて圭一郎をどれほど萎縮いぢけさしたことかしれない——圭一郎は、一日に一回は
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼等かれらあひだには異分子いぶんしまじへてらぬ。彼等かれらときによつてはおそれて控目ひかへめにしつゝ身體からだ萎縮すくんだやうにつてほどものおくする習慣しふくわんがある。しかうして儕輩さいはいのみがあつまればほとんど別人べつじんである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)