“ゐしゆく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
萎縮66.7%
畏縮33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
富岡は時々眼をあけて相槌あひづちを打つやうに返事をしてゐたが、人の話なぞどうでもよかつた。萎縮ゐしゆくした無気力さで、さかづきを唇へ運んだ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
兵粮は嫌でも他から仰がなければならぬのであるから、大概たいがいの者は頭と腕だけが膨大ぼうだいになつて、胃の腑が萎縮ゐしゆくする。從つて顏の色がくすむ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
せめて、清吉の面倒をみる事によつて、死者へのあがなひが出来るやうな気がした。おせいと云ふ女にすがつて、自分の生活能力を試み、萎縮ゐしゆくした気持ちをたてなほしたいと願つてゐたのだ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
仏印では、あんなに伸々のびのびとしてゐた男が、日本へ戻つてから急に萎縮ゐしゆくして、家や家族に気兼ねしてゐる弱さが、ゆき子には気に入らなかつた。ゆき子は、富岡の両の手を取つて力いつぱいゆすぶつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
としめやかに朱唇しゆしんうごく、とはなさゝやくやうなのに、恍惚うつとりしてわれわすれる雪枝ゆきえより、飛騨ひだくに住人じゆうにんつてのほか畏縮ゐしゆくおよんで
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)