名折なお)” の例文
そうとも、そうとも! そんな同情どうじょうのねえことをぬかすやつア、江戸ッ子の名折なおれだ。オ、見りゃあ、伊勢甚いせじん極道息子ごくどうむすこじゃアねえか。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それを見やがってぶっそうないいがかり、どッちが白いか黒いか代官所だいかんしょへでてやるところだが、女巡礼おんなじゅんれいだいの男ふたりで相手にしたといわれるのも名折なおれだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれほど捜索をしながら、ベッドと塵芥箱に気附かなかったとは、名探偵の名折なおれですぜと伝えてくれ給え。もっとも俺は誰しも見逃しそうな盲点と云う奴を利用したんだがね。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それを、こんなことにしてしまっちゃ、きみの名折なおれじゃないか。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ウウム、名折なおれといわるか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名誉ある少年探偵団の名折なおれのようにさえ考えられるのです。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「名まえなんかどうだっていいが、お察しのとおりぼくは子どもにちがいないよ。だが、二十面相ともあろうものが、ぼくみたいな子どもにやっつけられたとあっては、少し名折なおれだねえ。ハハハ……。」
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)