“をさま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
38.9%
33.3%
5.6%
5.6%
5.6%
5.6%
5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
光悦寺くわうえつじへ行つたら、本堂の横手の松の中に小さな家が二軒立つてゐる。それがいづれも妙にをさまつてゐる所を見ると、物置きなんぞの類ではないらしい。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
取か然なくば外に縁付えんづけなば一生の身のをさまりにも成べしとしうとめは勿論懇意の者共迄も色々いろ/\勸むると雖もお菊は一向承引うけがはず母樣始め皆樣の仰をそむくには有ねども今更むこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うちの中よりは戸外おもての方が未だ可いので、もうと歩いてゐる中にはをさまりますよ。ああ、此方こちらがお宅ですか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やがて静緒の持来もちきたりし水にくちそそぎ、懐中薬かいちゆうくすりなど服して後、心地をさまりぬとて又窓にりて外方とのがたを眺めたりしが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
むかし、三べう(七六)洞庭どうていひだりにし、(七七)彭蠡はうれいみぎにせしが、徳義とくぎをさまらず、これほろぼせり。
洋人來航するに及んで、物議ぶつぎ紛々ふん/\、東攻西げきして、内訌ないこう嘗てをさまる時なく、終に外國の輕侮けいぶまねくに至る。此れ政令せいれいに出で、天下耳目のぞくする所を異にするが故なり。
驢に乘りて草寮こやに至れば、博士は踞座して我等を待てり。促し立てゝ共に出づるに、風をさまり月明かなり。拿破里ナポリ灣に沿ひて行けば、熔岩の赤き影と明月の青き影と、波面に二條の長蛇を跳らしむ。
以太利いたりやの風光にあくがれし詩人、シェレエが「ピサに近きカシネの松ばら」と題してものしたる歌の中に就きて、回想せし楽しき逍遥の日は「なよ風松が枝に巣ごもり、荒波海ぞこにをさまれりし」
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)