をさま)” の例文
ところが江戸時代えどじだいになると、徳川氏とくがはし政治せいじ方針ほうしんがさうであり、またなかをさまつてたゝめか、學問がくもんさかんになつてました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
取か然なくば外に縁付えんづけなば一生の身のをさまりにも成べしとしうとめは勿論懇意の者共迄も色々いろ/\勸むると雖もお菊は一向承引うけがはず母樣始め皆樣の仰をそむくには有ねども今更むこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かうした混雑のなかでは、皆が互ひに堪忍してゆかなければ、とてもをさまりがつくものではありません。
一二二けんぞくのなすところ、人のさいはひを見てはうつしてわざはひとし、世のをさまるを見てはみだれおこさしむ。
ロレ しづまりめされ! 如何どうしたものぢゃ! おこってしまうたさわぎは、さわげばとてをさまるものではない。そも/\この娘御むすめごてん貴下こなた兩有りゃうもちぢゃ、いまてん獨有ひとりもちとなったは娘御むすめごためには幸福しあはせ
その結果として、折角身持がをさまり懸けた重右衛門が再び遊廓に足を踏み入れるやうに為り、少しく手を下し始めた荒廃した田地の開墾が全く委棄ゐきせられて了つたのも、これも余儀ない次第であらう。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
指置さしおき下女の菊と不義ふぎをなしつひ情死しんぢうとまでのさわぎなり夫故それゆゑ平常つね/″\お熊となかわる家内かないをさまらずと云ひければ又七是を聞き是は思ひもよらぬ事を仰せらるゝもの哉今宵こよひ菊が何故か刄物はもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
得しことゆゑ癪氣しやくきも速かにをさまりければ大岡殿には悦ばれ成程めうよい心持こゝろもちに成しと申されるに城富は先々御休息きうそくあそばされよと申て自分もやすみ居たりけるに大岡殿は寢返ねがへりて此方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)