“つくろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
繕92.6%
修繕3.0%
粧1.0%
膳1.0%
装0.5%
修築0.5%
扮0.5%
補0.5%
補綴0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
欽吾の財産を欽吾の方から無理に藤尾に譲るのを、厭々(いやいや)ながら受取った顔つきに、文明の手前を繕(つくろ)わねばならぬ。そこで謎が解(と)ける。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
後で修繕(つくろ)ひでもしたらしい繼目があるのに、その細工(さいく)が精巧を極め、珠は固く定着して、一寸したことでは取れさうもなく、その上、珠の發する光りが、冷い焔となつて
眼の前では我が指揮(さしづ)に従ひ働くやうなれど、蔭では勝手に怠惰(なまけ)るやら譏(そし)るやら散〻に茶にして居て、表面(うはべ)こそ粧(つくろ)へ誰一人真実仕事を好くせうといふ意気組持つて仕てくるゝものは無いは、ゑゝ情無い
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
黒く煤(すゝ)けた天井を洗つたり、破れた壁をざつと紙で貼(は)つて膳(つくろ)つたり、囲炉裏(ゐろり)の縁を削つたり、畳を取り替へたりして、世話人達は新しい住職のやつて来るのを待つた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
とは言ふものゝ、何気ない様子を装(つくろ)つて、自分は座蒲団を敷いて座り、客には白い毛布を四つ畳みにして薦(すゝ)めた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『恐しい世の中だ』——斯う考へ乍ら、あの夫婦の暗い秘密を自分の身に引比べると、さあ何となく気懸りでならない。やがて、故意(わざ)と無頓着な様子を装(つくろ)つて、ぶらりと休茶屋の外へ出て眺めた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あのお館(やかた)は、そういっちゃ悪いが、落魄(おちぶ)れ藤家(とうけ)の、貧乏公卿(くげ)で、ご全盛の平家とちがい、築地(ついじ)の崩(くず)れも修築(つくろ)えぬくらいだが、それでいて、俺たちが、お台所へ物乞いに行っても
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
社會の現象、時代の傾向は國民大多數の心理を示すものだから、つまり斯(か)う云ふ風な表面の體裁ばかり扮(つくろ)つて居る市街の外觀は、一個人の生涯とすれば恐しい道徳の廢頽だと思はなければならない。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
私達親子のものが移ろうとした新しい巣は、着いて見ると、漸(ようやく)く工事を終ったばかりで、まだ大工が一人二人入って、そこここを補(つくろ)っているところであった。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其時は男盛りの漁夫(れふし)と船頭親子と一緒だつた。鰹の取れる頃には、其邊は人で埋まるとか、其日は闃寂(しんかん)としたもので、蝦網などが干してあつて、二三の隱居が暢氣に網を補綴(つくろ)つて居た。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)