小歇おやみ)” の例文
滝をくつがえすようで小歇おやみもなく家に居ながらみんな簑笠みのかさしのいだくらい、茅葺かやぶきつくろいをすることはさて置いて、表の戸もあけられず、内から内、となり同士
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雨が小歇おやみになると、町の子供や旅館の男がほうき松明たいまつとを持って桜の毛虫をいている。この桜若葉を背景にして、自転車が通る。桑を積んだ馬が行く。方々の旅館で畳替たたみがえを始める。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お葉も少しく意外に驚いて、霎時しばらくその顔を眺めていた。雪は小歇おやみなく降っていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)