“欞子”の読み方と例文
読み方割合
れんじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と客の前から、いきなり座敷へ飛込んで、突立状つったちざまゆびさしたのは、床の間わきの、欞子れんじに据えた黒檀こくたんの机の上の立派な卓上電話であった。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほとんど毎夜のように上京かみぎょうの方から遠い道を電車に乗って出て来ては路次の中に忍んで、女の欞子れんじの窓の下にそっと立っていた。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
その姿をさがしても見当らず、がっかりして帰って来た春桃が見つけたのは、窓の欞子れんじに自分の体をつり下げている李茂であった。彼は息をふきかえした。
春桃 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)