小留こや)” の例文
当夜は、北町の友達のその座敷に、五人ばかりの知己ちかづきが集って、袋廻しの運座があった。雪を当込あてこんだもよおしではなかったけれども、黄昏たそがれが白くなって、さて小留こやみもなく降頻ふりしきる。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや夜あるきにはれている、雨も小留こやみに、月も少しあかければみちすがら五位鷺ごいさぎの声も一興、と孔雀くじゃくの尾の机にありなしは知らぬ事、時鳥ほととぎすといわぬが見つけものの才子が、提灯ちょうちんは借らず
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)