のみ)” の例文
ころは夏なりしゆゑ客舎やどりしいへにはかげにむしろをしきて納涼すゞみ居しに、主人あるじは酒をこのむ人にて酒肴しゆかうをこゝに開き、は酒をばすかざるゆゑ茶をのみて居たりしに
附景気つけげいきで面白さうに騒がれるだけ騒ぎ、毒と知りながら、麦酒ビールに酒ぜてのぐいのみ、いまだに頭痛がしてなりませぬとの事なり、兼吉がこの話の内、半熟の卵に焼塩添へて女の持ち運びし杯盤はいばん
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
葛木は、煙草ののみさしを火鉢に棄てた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道のつかれもわすれてうれしくもと横座よこざに皈りし(ゐろりはよこを上座とするは田舎のならひなり)に、こゝには銅鑵やくわんもありしとて、用意の茶を従者ずさが煮たるをのみ
さて是より熊のはなし也、今一盃たまはるべしとてみづからつぎてしきりにのみこしより烟艸帒たばこいれをいだしてたばこのみなどするゆゑ、其つぎはいかにとたづねければ、老父らうふいはく、さてかたはらを見ればくゞるべきほどの岩窟いはあなあり