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窘
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たし
ふりがな文庫
“
窘
(
たし
)” の例文
母はとうとう二人を
窘
(
たし
)
なめた。自分もそれを好い
機
(
しお
)
にすぐ舌戦を切り上げた。お重も団扇を縁側へ投げ出しておとなしく食卓に着いた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
始終
蔭言
(
かげごと
)
ばかり言っていた
女房
(
かみさん
)
達、
耐
(
たま
)
りかねて、ちと滝太郎を
窘
(
たし
)
なめるようにと、
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
ってから帰る母親に告げた事がある。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「二郎はまるで
堂摺連
(
どうするれん
)
と同じ事だ」と父が笑うようなまた
窘
(
たし
)
なめるような句調で云った。母だけは一人不思議な顔をしていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕は低い叔母の声のうちに、
窘
(
たし
)
なめるようなまた
怖
(
おそ
)
れるような一種の響を聞いた。千代子はただからからと面白そうに笑っただけであった。その時百代子も
傍
(
そば
)
にいた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細君は
窘
(
たし
)
なめられるような気がした。彼女にはそれを乗り越すだけの勇気がなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
兄さんは私が偽という言葉を字引で知っているだけだから、そんな
迂濶
(
うかつ
)
な不審を起すのだと云って、実際に遠い私を
窘
(
たし
)
なめました。兄さんから見れば、私は実際に遠い人間なのです。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
医者はいないのかな、早く呼んでやったらいいだろうにと間接ながら
窘
(
たし
)
なめたら、ええ今にどうかするでしょうという答である。この時案内はもう本来の気分を回復していたと見える。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
綺麗
(
きれい
)
な
友染模様
(
ゆうぜんもよう
)
の背中が隠れるほど、帯を高く
背負
(
しょ
)
った令嬢としては、言葉が少しもよそゆきでないので、姉はおかしさを
堪
(
こら
)
えるような口元に、年上らしい威厳を示して、妹を
窘
(
たし
)
なめた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
須永はよく彼に向って、なぜその前に僕の所へ来て打ち明けなかったのだと詰問した。内幸町の叔父が人を
担
(
かつ
)
ぐくらいの事は、母から聞いて知っているはずだのにと
窘
(
たし
)
なめる事もあった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御仙がそれを受付口へ見せている間に、千代子は須永を
窘
(
たし
)
なめた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
窘
漢検1級
部首:⽳
12画
“窘”を含む語句
窘逐狂
窘蹙
立窘
窘窮
窘迫
居窘
窘逐
掻窘
窘束
窘歩
窘渋
窘付
窘乏
狭窘
窘追
抱窘
困窘