たしな)” の例文
時には孝子自身も、人のゐない處へ忠一を呼んで、手嚴しくたしなめてやることがある。それは孝子にとつても或る滿足であつた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
行末怎うなるのか! といふ眞摯な考への横合から、富江のはしやいだ笑聲が響く。つと、信吾の生白い顏が頭に浮ぶ、——智惠子は嚴肅な顏をして、屹と自分をたしなめる樣に唇を噛んだ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
行末うなるのか! といふ真摯まじめな考への横合から、富江のはしやいだ笑声が響く。ツと、信吾の生白い顔があたまに浮ぶ、——智恵子は厳粛おごそかな顔をして、屹と自分をたしなめる様に唇を噛んだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『マア、お客樣に其麽事言ふと、母さんに叱られますよ。』と、姉が妹をたしなめる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其麽事は無い、と自分でたしなめて見る、何時しか息遣ひが忙しくなつてゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其麽事は無い、と自分でたしなめて見る、何時しか息遣ひがせはしくなつてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『誰が來てるんだい?』と言ふ調子は低いながらにたしなめる樣に鋭かつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『誰が来てるんだい?』と言ふ調子は低いながらにたしなめる様に鋭かつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、女教師の孝子にも、健の其麽そんな行動しうちが何がなしに快く思はれた。時には孝子自身も、人のゐない処へ忠一を呼んで、手厳しくたしなめてやることがある。それは孝子にとつても或る満足であつた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、姉が妹をたしなめる。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)